下町柚子黄昏記 by @yuzutas0

したまち発・ゆずたそ作・試行錯誤の瓦礫の記録

新卒3ヶ月目をどう過ごすか

自分が新卒3ヶ月目のときに、要件定義やプロジェクト管理、システム設計をどうやって身につけたか。

新米エンジニアがレガシーシステムを死に物狂いでグロースハックした話 #xpjug / 20170916 - Speaker Deck

  1. 自分に言い聞かせる。
    • 新卒3ヶ月目でも「自分は10年目のプロダクトマネージャーなんだ」と自分に言い聞かせて、仕様や要件を考える。
    • 新卒3ヶ月目でも「自分は10年目のリーダーなんだ」と自分に言い聞かせて、チームの状況を見渡してみる。
    • 新卒3ヶ月目でも「自分は10年目のアーキテクトなんだ」と自分に言い聞かせて、システムを設計する。
  2. 改善サイクルを回す。
    • いくら10年目の真似をしようが、新卒3ヶ月目なので、赤っ恥をかく。悔しくて惨めな思いをする。
    • そこから学んで、同じミスをしないようにする。
    • これを繰り返していくと、いつの間にか10年目のようなパフォーマンスを出せるようになる。
  3. ギャップを明らかにする。
    • 自分は何年後に活躍するつもりで働いているのか?
    • 今活躍できていない自分でも、2年後だったら少しは活躍できるようになっているのか?
    • だとしたら今の自分と2年後の自分の差はどこにあるのか?
    • その差を埋めるためにすぐにできることはないのか?
  4. 自分の成長スピードを周囲に見せる。
    • 先輩から「これを勉強しておいてね」「これを読んでおいてね」と言われたら、理想は次の日まで、遅くとも週明けまでには完了報告を行う。
    • 土日にコツコツと学習して、「先週できていなかったことが週明けにはできるようになっている」というのを何回か繰り返す。
    • 「こいつにアドバイスするとグングン取り入れて成長していく」と先輩たちに面白がってもらい、色々なアドバイスやサポートをもらえるようになる。
    • サポートとは、誰かに与えられるものではなく、自分から行動して引き寄せるもの。「周りが自分をサポートしてくれて当然」「自分は努力をしたくない」というスタンスだと見放されていく。「スキルが足りていない」「活躍できていない」だけなら「最初はそういうものだよね」で済むが、「学習意欲がない」「行動力がない」と見えてしまうと、周りから「こいつをサポートしても時間のムダだ」と思われてしまう。
  5. 学習時間を確保する。量で補う。
    • 平日
      • 会社への通勤電車で学習(1h)
      • 始業前に会社近くのマクドナルドで学習(1h)
      • 日中は仕事・研修(8h)
      • 帰りの電車で学習(1h)
      • 自宅近くのカフェが閉まるまで学習(2h)
      • 自宅で学習(1h)
      • 就寝前に振り返り日記を付けて学習プランを見直し
    • 休日
      • 午前は疲れ果てて爆睡 or 有酸素運動で体力とメンタルを回復
      • 午後は自宅近くのカフェで学習(7h)
      • 夜は自宅で学習(2h)
      • 就寝前に振り返り日記を付けて学習プランを見直し
    • 朝起きてから夜寝るまでの生活の全てをスキルアップに注ぎ込む
      • 新卒1年目をダラダラ過ごす場合、実質的な集中時間はせいぜい業務時間のうち 2h/日 x 平日20日/月 x 12ヶ月 = 480h で、2年目になる頃にようやく「仕事に慣れてきた」「楽しくなってきた」と思えるようになる。それまでの1年間ずっと耐え続けないといけない。
      • ゆずたそスケジュールだと(平日14h x 20日/月 + 休日9h x 8日/月)x 1.5ヶ月 = 528h になるので、最初の1.5ヶ月を耐えれば「仕事に慣れてきた」「楽しくなってきた」と思えるようになる。

早めにスキルを身に付けないと「成果が出なくて苦しい」「周りから認められなくて苦しい」期間がずっと続く。 ダラダラと苦しみ続けるより「人事評価までの○ヶ月を全力で乗り切ろう」と覚悟を決めて、フルコミットしたほうが、結果的に早く楽になる。

もちろん、頑張ることだけが全てではないし、これが人生の正解だと主張するつもりもないし、全員が全員こうすべきだとは言わない。 ただ、世の中には「こういう新卒1年目を過ごすことが当たり前だった」「周りも皆そうしていた」「大変だったけど充実していた」「後から振り返るとあの時に頑張ったからこそ今がある」という人たちもいる。そういう人たちは、単純に「当たり前」の水準が高く、努力の質が高く、努力の量が多い。当然ながら成果が出やすいし、ポジティブな評価を得やすいし、何かと優遇される立場になることが多い。

努力を強制されることのない世の中で、自分を甘やかせることができる時代の中で、一定数の人々が「(根拠はないけど)n年後にはきっと活躍できるようになるだろう」という曖昧な長期プランを掲げて、「そのための努力は特にしない」という日々の意思決定を積み重ねて、「低いスキルのままでダラダラと生きる」人生を選んでいるのではないだろうか。 だからこそ、「努力することが当たり前」の環境にいる人たち、自分で自分の背中をストイックに押し続けることができる人たち、「今日この場で活躍しなければ明日は勝ち取れない」と本気で思い込んでいる人たちは、やはり強い。それだけで差別化できる。職に困ることはないだろう。

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まぁ、もっと効率的に要領良くできるなら、それに越したことはない。それまで全く勉強をせずに学年最下位だった人が、インターハイで優勝して、部活を引退した高校3年の冬休みになってから受験勉強を始めて、恋人とも毎日イチャイチャしながら、余裕で東大理3に合格したりする。そういう「要領の良い人」は世の中に一定数いる。部活にせよ、受験にせよ、恋愛にせよ、研究にせよ、就職活動にせよ、仕事にせよ、趣味にせよ、「要領の良い人」は上手いことやる。残念ながら自分はそうではなかった。むしろ要領が悪いほうだった。だからこそ、人の10倍思考して、人の10倍行動して、それでようやく「何とか人並みの人生を過ごすことができているかな」と思えるようになった。

マンモスを狩ったり木の実を採集していた時代だと、自分のような要領の悪い人間はあっという間に淘汰されていたと思う。当然ながら、集団(チーム)に貢献できない人間、食料調達(ノルマ)を達成できない人間も、厳しい自然の中で淘汰されただろう。給料が下がるだとか、退職勧告をされるだとか、そんな甘いものじゃない。この世から追放だ。それに比べれば、自己学習のための教材が豊富に揃っていて、頑張れば頑張った分だけ知識やスキルが身につき、仕事の成果や評価がついてきて、美味しいものを沢山食べることができるわけで、少しは頑張り甲斐があると言えるのではないだろうか。いや、若干無理があるけど、そうやって自分に言い聞かせながら今日を乗り越えていくことも(新卒時代は特に)大事じゃない?