下町柚子黄昏記 by @yuzutas0

したまち発・ゆずたそ作・試行錯誤の瓦礫の記録

ディズニー・プリンセスに学ぶ目標設定

メンヘラお気持ち表明 Advent Calendar 2019 の7日目の記事です。

本稿では目標設定の手法として「セブン・プリンセス発想法」を提唱します。 洋画の吹き替えボイスをイメージしながら読んでください。

概要

ディズニー作品を踏襲して、それぞれの観点から7つの目標を設定する。

f:id:yuzutas0:20190506213309p:plain

このフォーマットは転職活動に伴って実際に筆者が利用したものだ。

1: 白雪姫(1937年)

白雪姫は森の動物や小人と助け合うことで、困難を乗り越えて王子と結ばれる。 多くの時間を共有しているメンバーや仲間たちのことを考えてみよう。 彼らと一緒に楽しめることがあるとしたら、それは何だろう。 「仲間」という観点から目標を設定してみよう。

2: シンデレラ(1950年)

シンデレラは綺麗なドレスを身にまとい、憧れていた舞踏会に参加した。 自分が打ち込んでいる分野にとっての舞踏会を考えてみよう。 自分が華やかな舞台に立てるとしたら、どんな機会だろう。 「舞台」という観点から目標を設定してみよう。

3: オーロラ姫(1959年)

オーロラ姫は運命に翻弄されながらも、夢で出会ったフィリップ王子と巡り合った。 いつかまた再会したいと思えるような憧れの人を思い出してほしい。 胸を張って笑顔でその人と話すためには、何が必要だろう。 「再会」という観点から目標を設定してみよう。

4: アリエル(1989年)

アリエルは自慢の歌声を失う代わりに、足を手に入れて地上へと旅立った。 特技や仕事を手放せずにいると新しいチャンスを逃してしまうこともある。 いつかやりたいと思いながら、リスクを取れずにいることは何だろう。 「変化」という観点から目標を設定してみよう。

5: ベル(1991年)

ベルは城の従者たちの願いを聞き、野獣と前向きに関わろうとした。 周りから頼りにされていることや期待されていることに目を向けてみよう。 自分が活躍できることがあるとしたら、それは何だろう。 「期待」という観点から目標を設定してみよう。

6: ジャスミン(1992年)

ジャスミンは魔法の絨毯に乗ることで、広い世界を見て心躍らせた。 地域や社会と繋がっているという実感はエネルギーを与えてくれる。 世の中に対して貢献できるとしたら、それは何だろう。 「社会」という観点から目標を設定してみよう。

7: あなた自身がプリンセスなんやで?(xxxx年)

子供の頃のあなたは、心の奥底で、ずっと側にいる。 「こんな大人になりたくなかった」という後ろめたさを乗り越えよう。 子供の頃の自分が大切にしたかったことは何だろう。 「子供」という観点から目標を設定してみよう。

Q&Aセッション

  • Q: 白いスーツ、真っ直ぐなネクタイ、丁寧に座る、マイクを向けるインタビュアー。
  • A: 黒いスーツ、派手な紫のシャツ、足を組んで前に出す、ろくろを回している筆者。

Q. どのようなときに「セブン・プリンセス発想法」を使いますか?

年末年始。新年度。新しい生活。新しい会社。 目標を考えるのに適したタイミングだ。 下書きの執筆時点(2019年5月)は元号の変わり目だ。 記事公開時点(2019年12月)はまさに年末だ。

目標設定は大切だ。 どれだけ違う山を登っても、見たかった景色には辿り着けない。 だから私たちは、定期的に目標を考えたり、見直す機会を設ける。 実は私自身も、人生の一つの節目を迎えて「目標」について考えていた。

キャリアのシミュレーションに使うのもいいだろう。

昇進するとしたら、管理職か、専門職か。 もし管理職になったら「7つの目標」をどう設定するだろうか。 もし専門職になったら「7つの目標」をどう設定するだろうか。

転職するとしたら、大手か、ベンチャーか。 もし大手に行くなら「7つの目標」をどう設定するだろうか。 もしベンチャーに行くなら「7つの目標」をどう設定するだろうか。

未来の自分を想像してみよう。 掲げた「7つの目標」にワクワクしているだろうか。 どうしたらワクワクできるだろうか。

Q. なぜ「セブン・プリンセス発想法」は本質的なのでしょうか?

社会生活の中で、私たちは無意識のうちに制約を設けて、自分の心を閉じ込めている。 「何かが違う」「このままでは駄目だ」と焦っている。 しかし「自分がどうなりたいか」は自分でも分かっていない。

ディズニー作品のように、多くの人に長く愛される名作には普遍性がある。 そして幼き日の少女たちはプリンセスに憧れる。 物語で活躍するプリセンスには、人が「こうなりたい」と思える要素が含まれているのだ。 ゆえにプリンセスを媒介とした目標設定は「自分がどうなりたいのか」を考える材料になる。

Q. なぜ「セブン・プリンセス」は7人なのですか?

6人目までは自明だ。

白雪姫からジャスミンまでの6人は特に商品展開が活発で、日本では6姫と総称されている。 河出書房新社の雑誌(『ディズニープリンセス おはなしブック』ISBN 978-4-309-95157-7)の表紙にも「6姫ベストセレクション」という言葉が使われている。

ディズニープリンセス - Wikipedia

あえて「7人目」として、ディズニー作品の視聴者 ―― つまり「あなた」自身 ―― をカウントした。 「ディズニー・リゾート」という名作を抜きに、ディズニーを語ることはできないからだ。 夢の国。ディズニー・リゾート。来場者が、あなた自身が、おとぎ話の主人公になる。そういう作品だ。

夢の国を訪れると、プリンセスに憧れたときの「光の心」を思い出せる。 幼い日の自分はどうだったか。きっとその目は輝いていたはずだ。あの輝きを取り戻そう。 日本では「光」(可視光線)を慣習的に7色で数える。 7つの光の心を取り戻すことで、人生に虹を架けよう。

6人のプリンセスは映画の中で、パートナーを助け、パートナーに助けられた。 では、幼い日の自分を助け、幼い日の自分に助けてもらうのは、誰だろう。 他の誰でもない。あなた自身だ。さぁ、あの日の自分を迎えに行ってあげよう。

Q. 目標が7つでは多すぎませんか?

良い質問だ。現代は「フォーカス」が求められる時代と言える。 理想は「1つのアクション」で「7つの目標」を全て達成すること。これがベストだ。 キャリア論から引用すると「Will」(志向)と「Can」(能力)と「Must」(要請)がマッチする「最高の生き方」を見つけた状態と言える。

だが、それが出来ていないから、今まさに悩んでいるのだろう。 そこで2つの提案をしたい。 「プリンセス・ポートフォリオ」と「プリンセス・ギャザリング」だ。

プリンセス・ポートフォリオとは、時間とエネルギーの配分だ。 7つの要素のうち、ある時は1つの要素に注力して、ある時は別の要素に注力する。 「去年はベルが多かったな」とか「今年はアリエルを頑張ろう」といった具合だ。

私は4月に7つの目標を設定したが、全てを短期間で達成できるとは思っていない。 1年間で7つのうち3つを達成したら「A評価」を自分に与えるつもりだ。 2つなら「B+」で、4つなら「A+」になる。 1年間で7つ全て達成したら「SSS」だ。

プリンセスに憧れる「光の心」は、筋肉のようなものだ。 スマートフォンを使いすぎると眼精疲労になる。適度な目のストレッチが必要だ。 同様に、偏った心の使い方をすると、7色のうち、一部の要素が見えにくくなる。 そのような状態では、人生に虹を架けることはできない。 だからポートフォリオを組むことが重要になる。

一方で、プリンセス・ギャザリングとは、光の心を取り戻す旅だ。 まずは1つ1つの目標を個別に達成する。 その後「自分にとって何が大切なのか」を振り返る。

振り返ると「やっぱり自分にとって大事ではなかった」とか「当初の予定と違う部分でやりがいを覚えた」といった新しい発見があるはずだ。 その繰り返しで、【アクション:目標】=【n:7】を、徐々に【n=1】へと近付けよう。

私たちは多かれ少なかれ自分の本心を押さえつけながら社会生活を送っている。 7つの目標を書くと、1つのアクションには集約されずに、バラバラな方向を向くだろう。 矛盾だらけの心が可視化されているのだ。その矛盾を1つ1つ丁寧に紐解いてあげよう。 時間は掛かるかもしれない。必要な時間だ。自分の心と向き合うための時間だ。

さぁ出かけよう。 バラバラに散らばった心の欠片を、少しずつ拾い上げる旅だ。 あなたの心に繋がる全てを取り戻しに行こう。

Q. 最後に読者へ伝えたいことはありますか?

この発想法を使うことで、私は2つのアクションを起こした。 1つ目は務めていた会社を辞めたことだ1。 2つ目は憧れていたヨーロッパを旅したことだ。 どちらも長い話になるので、またの機会に書き記そうと思う。

行動に移した者として、言えることがある。 確かに「セブン・プリンセス発想法」は、ただの思いつきとこじつけだ。 だけど、本気でやってみたら何かが変わるかもしれない。

きっかけは何だっていい。 もっと良いやり方はあるかもしれない。 だけどそれは後でいい。 ここまで読んだからには、ぜひ試してみてほしい。 自分の心と向き合う機会にしてほしい。

アラジン (字幕版)

アラジン (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/25
  • メディア: Prime Video

嫌われる勇気

嫌われる勇気