下町柚子黄昏記 by @yuzutas0

したまち発・ゆずたそ作・試行錯誤の瓦礫の記録

古墳ハンターになろう

歴史 Advent Calendar 2019 9日目の記事です。遅延しています。 古墳ハンターのゆずたそが、ひたすら古墳の魅力を紹介します。

もくじ

初心者にオススメの古墳

関西であれば、奈良県の「石舞台古墳」と「キトラ古墳」がオススメです。 関東であれば、埼玉県の「さきたま古墳公園」と「吉見百穴」がオススメです。

明日香村

石舞台古墳」と「キトラ古墳」は、両方とも明日香村にあります。

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村のあちこちに史跡があるので、歴史好きには堪らないですね。

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村から少し移動すると和風スポットに辿り着くこともできます。

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石舞台古墳

石舞台古墳」は、おそらく日本で一番「分かりやすい」古墳です。 この遺跡っぽさ! このパワフルさ!

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念願かなって王墓の中に足を踏み入れた時、 オレが一番うれしかったのは、 ずっと願ってた王墓の『真実』を目の当たりにしたことじゃなく、 いっしょに中へ入ったそいつらと、顔を見合わせて握手した瞬間だった。

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みたいな感じを味わうことができます。

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石棺はこんな感じだったらしいです。 蘇我馬子の墓ではないかと言われております。

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キトラ古墳

キトラ古墳は遠目で見るくらいしかできません。 丸1個の古墳なので「円墳」と言います。

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キトラ古墳はむしろ資料館が面白いです。

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キトラ古墳には、四方に壁画があります。 北に描かれているのは玄武。 東に描かれているのは青龍。 西に描かれているのは白虎。 南に描かれているのは朱雀。 中二心をくすぐる設定……!

私は「朱雀」が特別公開されていたときに現地を訪れたので、実物を見ることができました。

テクノロジーという観点でも面白いです。 キトラ古墳の壁画をいかに保存・復元するか。 技術面での試行錯誤を知ることができます。 世の古墳マニアの間では賛否両論あるので、迂闊なことは言えませんが。

さきたま古墳公園

埼玉県です。 純粋に公園としても、良きです。

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埴輪を作って遊べるそうです。

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登って景色を楽しむこともできます。 葉桜が綺麗でした。

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呪われそうな天気でした。

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どこを歩いても、あっちこっち古墳だらけ!

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↓は、前方後方墳です。 前が四角(方)で、後ろも四角(方)なので、前方後方墳。 ちなみに、学校のテストに出てくる前方後円墳は、前が四角で後ろが丸のことです。

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奥に見える四角が、遺体を収める墓です。 その上に祈祷師が陣取ってお祈りをするそうです。 手前の四角は参拝客が並ぶスペースだそうです。

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最前列で祈祷師を見上げるポジションです。 ライブチケットだと一番高い値段がする席です。

吉見百穴

同じく埼玉県の吉見百穴。 付近を歩くだけでも楽しいです。

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有料です。

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すごい。 キメラアントが出てきそう。 後期の古墳はまさに集合墓地です。

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登れます。

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ここに遺体(棺)が横たわっていたわけですね。

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ちょっと怖いと言いますか、不思議な気分でした。 「1000年以上前を生きた誰か」の「死」を意識させられました。

普段歩いている道で最近亡くなった人だっているはずで、 普段使っている建物で最近亡くなった人だっているはずで、 「死」というのは、私たちの生活に隣り合わせの、当たり前の出来事のはずで、 なのになぜ、1000年以上も昔の人の「死」に、ここまで心が動かされるのでしょうか。

現実と幻想を読み解く

歴史に想いを馳せると、古墳は100倍楽しめます。

古墳というのは、要するに「墓」です。 当時の人間が、当時の価値観に基づいて、当時の墓を作ったわけです。 生活様式や文化(死生観)を色濃く反映しています。 古墳は当時を読み解くためのヒントです。

例えば、埴輪。 色々な種類の埴輪があります。 人の埴輪や、馬の埴輪。 服の埴輪や、家の埴輪。 これらは生贄の代わりだそうです。 実物(生きた馬や人間)の代わりです。 死後の世界に、兵隊や馬、服や家を送るためのものです。 つまり、埴輪を見ると当時の兵隊や馬や服や家が分かるのです。

ポイントは「現実」だけではなく「幻想」が混ざっていること。 死後の世界はこうだろう。 死後の世界はこうであってほしい。 そういった幻想もまた反映されています。 現実と幻想が複雑に絡み合う中で、現実(真実)を探り、幻想(理想)に想いを馳せる。 それが醍醐味なのです。

歴史から未来を描く

歴史は繰り返す、と言われます。 古墳を知り、歴史を知ると、未来を描くためのヒントを得ることができます。

例えば、古墳の形式は、時代と共に変化しました。 古墳時代の前半は豪族のためにリッチなデザインです。 しかし、徐々に大量生産されて、共同墓地のような形式になったそうです。 「古墳の民主化」と解釈できるかもしれません。

古墳だけでなく、あらゆるテクノロジー民主化します。 製品を企画するときに大事な発想です。 古墳でさえリテール化したのです。 「これは豪族向けかなぁ」という技術でも、やがては簡易版が普及すると考えられます。

逆に言うと、現代のビジネスやテクノロジーのあり方・法則を踏まえると、 そこから類推して過去を読み解くことができるかもしれません。

「隠された真実」を知る

石舞台古墳蘇我馬子の墓という説が有力です。

「そうだな。教科書では蘇我氏を何て説明してた?」

大化の改新で討たれたって」

「ん それは間違ってないな」

「だが蘇我氏の真実は」

  • 渡来人を助けて仏教や大陸の農耕技術を活用した
  • 日本の文化・宗教・テクノロジーを進化させた
  • 政権で大きな力を持った
  • それゆえに既存勢力とぶつかった
  • 実は聖徳太子とも血縁
  • 最後は蘇我の本家に恨みを持った分家が利用されて内乱が起きた
  • 分家は内乱後に始末された

といったドラマだらけ!!

「学校じゃ教えてくれない真実だ」

「歴史の教科書」には載っていない物語があります。

古墳を見たときに、どう思ったでしょうか。 ただの丘じゃん。 ただの石じゃん。 私は最初、そう思いました。 ですが、きちんと背景を知ると、古墳を巡るドラマがあるのです。

そのドラマに想いを巡らせてみるわけです。 「教科書」には載らない「路傍の石」のような人生(=His Story)。 そうした人生こそが、歴史(=History)を織り成している。 そう思うと、どんな人生も素敵だと感じませんか。

「もしかしたらこうだったんじゃないか?」という、嘘か本当か分からない、解釈というか、学説というか、もはや物語。 1人1人が好き勝手な切り取り方で1000年前を生きた人たちに想いを馳せる。 そんな「切り取る世界」を追い求める(=ハントする)ことに魅力を感じるわけですね。

ゆえに古墳ハンター!!!!!

完。

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この本が初心者にオススメです。

まりこふんの古墳ブック

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蘇我氏についてはこの本を読みました。

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