自分が会社員だった時の転職活動、必ずしも毎回全部できていたわけではないけど、一応こういうステップを意識していたなぁ、というノウハウのシェア。
①1度に1社だけを受ける。エージェントではなくリファラルで紹介者を見つける。2社以上を同時に受けるのはちょっと大変かなと考えていた。
②紹介者に社内の課題を聞いて、イシュー度(本当に解く価値があるか?)やCan(自分のスキルや経歴に合う領域か?)とのマッチングを確認する。
③カジュアル面談やリファラル食事会で社内課題やカルチャーをヒアリングする。なるべく違う立場のメンバーに来てもらって、見え方や意見のズレを探り、正確な状況を把握する。必要に応じて事前にNDAを締結する。
④外部事例をリサーチしてその会社にマッチする解決案を考え、提案資料にまとめて送る。入社後に期待される動きの1つを先に実施し、③の参加者が投下した時間コストはこの成果物でお返しとする。また、自分の人件費を含めたトータルコストに見合う効果を、本当に入社後に出せるかどうかをチェックする。
⑤入社3ヶ月でどんな成果を挙げるか、入社したらマネージャーになるであろう予定の人と擦り合わせる。具体的なTodoリストまで落とし込めるとベスト。
⑥入社3年後に自分のキャリアがどう伸びそうか、何パターンかシナリオを描いて、転職へのモチベーションを上げる。労働環境や福利厚生は入社後に変わる可能性があるので、自分の無形資産の積み上がり方にだけ注目する。Give&Takeのうち、Takeを考えるのはこのタイミング。
⑦採用選考のフローや評価ポイントを確認して、面接や課題の対策準備をする。許される範囲で紹介者にレビューやアドバイスを求める。Will、Can、Mustの素材は⑥までのステップで既に揃っているので、あとは面接でスムーズに答えられるように練習する。
⑧ベースの実力が不足している領域があればこの機会に学習する。平日は毎朝2h(5:30-7:30)+毎晩2h(20:30-22:30)、休日は毎日8h(9:00-12:00, 13:00-18:00)を学習に当てると週36hを捻出できるので、範囲を絞れば短期間でもそれなりにキャッチアップできる。
⑨採用選考を受ける。ここまでやると総合的には落とす理由がなく、少なくとも課題を感じている社内の人たちからは「早く入ってほしい」という状態になるので、よほどのミスやカルチャー面でのアンマッチがなければ基本的には通る。
第二新卒の転職活動でこれをやってもあまり効果はないだろうけど、既にシニアとしての実力・実績がある人が、シニアとしての活躍・待遇をリクエストする場合、何らかの形で似たようなコミュニケーションを取っているのかなとは思う。
自分の場合、新卒4年目には業界を代表するような実績やアウトプットが出て、それなりのオファーをいただけるようになり、時にはその企業の部門長より高い金額を特別提示されるようになった。そういった状況で「自分の価値を自分で示さないといかんよなぁ」「問題解決にこだわる姿勢を見せなければいかんよなぁ」「ROIの高さを示さないといかんよなぁ」とは考えていた。
人手不足や売り手市場の環境だと適当にやっても運良くそれっぽいところに潜り込めるとは思う。ただ、そういう人たちが多いからこそ、選ばれる努力やオファー金額を上げるための努力をちゃんとしていると、良い意味で目立つし、相手に感動してもらえたり好きになってもらいやすいのかなと(今になって)思う。
雇われる側から雇う側になってみて、こういうムーブをしている人が少ないことを知った。たまにこういうムーブをしている採用候補者と出会えるとテンションが上がる。受け入れを担当する現場メンバーも「頼もしい人だ」「この人が来たら会社は良くなる」「積極的にサポートしよう」といったマインドになる。結果的に、雇う側も雇われる側も、受け入れる側も、皆が少しだけハッピーになれるような気はする。
転職に限らず、新しい社内プロジェクトを打診されたときや、副業のお手伝いを誘われたときも、こういったステップを経ると、ミスマッチを防ぎやすくなるのでオススメ。というか、プロジェクトを立ち上げるときの手順を、メンバー目線で捉え直しただけかもしれない。
まぁでもこれを他人に求めるのはよろしくないなとは思っている。わざわざ誰かに言われなくてもこういったことを自然にできるような人たちは確かにいて、そういった人たちは遅かれ早かれ適正に評価されていく。それだけの話かも。誰かに押し付けたいわけではないけど、そのうち忘れていくだろうな〜という気もしたので、あくまで自分のための備忘録として書いた。
【追記】この記事を読んで「参考にならない」「真似できない」「そこまで頑張りたくない」「頑張りたいけど頑張れない」といったコメントがあったので「これなら真似できるのでは?」という提案を書いた。よかったら読んでみてください。