新卒3年目のソフトウェアエンジニアの振り返りブログを読んで、優秀な人の振り返りってこういう感じだよね〜と思った。
書きました - 2023年12月あたりの今日このごろ | monolog - https://t.co/47u2FE1pRF
— kyontan (@sukukyon) December 29, 2023
私が某社に所属していたときに、インターンのメンティーとしてチームに参画していただいた方。 私はその後に転職してしまったが、ご本人はそのまま入社し、大活躍して社内賞を取っているとのこと。
上記の振り返りブログを読んで「素晴らしいなぁ」と思った点を挙げる。
- 自分が生き残っていることを当たり前だと思わない。周囲に価値を提供できなければ生き残れないことを知っている。
- だから周りに対してどんなインパクトを出せたかを振り返る。自分にベクトルが向いていない。コトに向かっている。
- 追うべき水準が高い。「仕事を通して他の人の役に立つ」「その対価としてお金をもらう」「そのお金で生活する」ためには、それなりに周囲に対して貢献しないと成り立たないことを理解している。狩りや採集を担当するなら、1人につき最低でも3人分は食糧調達しないと村が滅びる。それが分かってる人は追うべき水準が自然と高くなる。
- 自分1人の力ではなく、周囲の助けがないとインパクトを生み出せないことを理解している。周りの人たちが自分を助けてくれることは、当たり前の権利ではなく、周りの人たちの善意によるものだと理解している。だから周囲への感謝の言葉が出てくる。
- 来年も生き残るために、自分の仕事の仕方を改善する意思がある。自分が辛かったとか大変だったとかで終わらせずに「自分のここが課題だ」と言語化できる。組織や周囲の課題(認知の輪)ではなく、自分の課題(影響の輪)にフォーカスしている。
- 仕事をする中で、モヤモヤや不満やムカつくこともあっただろうけど、そういうことを言わない。なるべく引きずらないようにしている。組織や仕組みの問題については、不満を言うのではなく、適切なアプローチにもとづいて改善している。
プロのスポーツ選手のインタビューを聴くのと同じような感覚がある。
- 今年の試合戦績はどうでしたか?
- チームや監督にお礼の言葉はありますか?
- 自分の課題は何だと認識していますか?
みたいな。 誰かに言われるのではなく、自発的にこういう視点で振り返りができる人というのは、果たしてどのくらいいるのだろうか。
新卒1年目の研修期間だとこういったことを考える余裕がないのはまぁ仕方ない。 ただ、現場に配属されたら、1人のプロとして扱われる。プロ意識がないと、取引先や先輩からは「いつまでお客様気分なんだろう」という話になる。
そして、新卒2年目になると、今度は後輩に教える側になる。 というか、早い人は1年目のうちから、アルバイトやインターン生のサポートに入ったり、「正社員さん」として派遣社員や契約社員から頼られたり、「◯◯会社の社員さん」として委託先のスタッフから相談を受けたりする。
そのペースでステップアップしていくと、新卒3年目になったときには、自然とプロとしてのスタンスが滲み出るようになるのだろう。 社会で活躍している「新卒3年目」ってのはこういうレベルなんだ、ということは知っておきたい。 「当たり前」の基準は高く持っておきたい。
中途入社、フリーランス、副業などでプロジェクトに参画する場合、「新卒3年目の基準よりは上であってほしい」「スキルやスタンスが未熟でもせめて新卒1年目と同じくらい成長意欲があってほしい」と期待されるのではないだろうか。
そう思うとなかなかに大変ではあるが、だからこそ、自己保身の言い訳に逃げるのではなく、自分の中の「当たり前」の水準を高めて、その当たり前(ToBe)と今の自分(AsIs)との差を素直に認めて、コツコツと振り返っていくのが大事なのだろう。