概要
さくらインターネットさんで開催されたエンジニアのためのプレゼン技術研究会にて、 「エンジニア組織のスケールに伴う社内勉強のTry&Error」という発表をしました。
スライド
ざっくり内容
改善サイクルをひたすら回したという話になります。
10人の時代
- 形骸化したミーティングを乗っ取った。
- 社外ではあまり話されないトピックのLTがベース。
- アドオン:相談LT+ワールドカフェ → ワークショップ → もくもく会 と推移。
200人の時代
- 本格的なイベント運営の型を作って運営した。
- よくあるLT(カンファレンス参加報告や自作ツール紹介や退職LT)がベース。
- 各チームの担当業務を紹介したり、テーマを設けたり、講演形式をやってみたり。
500+人の時代
社内勉強会とは結局何だったのか
- 組織運営の抜け漏れを検知するセンサーの役目を果たした。
- 社内勉強会=組織運営(関係構築+情報流通)の側面が強い。
- 特定技術に習熟するためなら、実践・個人学習の方が良い。
- ケーススタディやアウトプットの場とするなら、社外勉強会の方が良い。
- 無理しない程度に楽しくやっていきましょう。
- ないと組織が硬直化する。
- しっかりやると高コストになる。
- 適当にやるとグダグダになる。
汗と涙の取り組みだったので、詳細についてはぜひスライドを読んでいただけると嬉しいです。
発表・イベントについて
持ち時間は5分だったので、最初のフェーズ(5人→10人)について話しました。 いただいた感想やQ&Aとしては以下の通り。
Q.事務連絡をSlackだけで完結できるのか? → A. チームごとの会議が別にあって、そちらで対面コミュニケーションの補完がなされた。
Q.ビールとピザでLTすると大体グダグダになる印象 → A. ゆえにあの手この手で変えていった。特に、相談LTとワールドカフェの組み合わせは、活発な議論やチーム横断のTips共有に繋がったので良かった。
色々なスピーカーが雑多なトピックで話す中で、共通の話題(私の発表だとSlack運用方法についての質問など)を即座に決め打ちして、Q&Aタイムを盛り上げた他の参加者の方々はさすがだなぁと思いました。 おかげで良い雰囲気の中で話せました。
当日は体調が優れなかったため(個人的には)色々と燃焼不良&ご迷惑をお掛けしてしまったように思いますが、諸々のフォローを含めて、非常に丁寧でありがたい場だったと感謝しております。
補足
「急スケールする組織では、コンテキストのリセットと再発見が螺旋のように繰り返される」とスライドで書いています。
人の出入りが激しいと、以前の勉強会での「これが良かった・悪かった」「だからこうしよう」が運営者・参加者で共有されていないので、無理にやろうとしても賛同を得ることができず、1からやり直しになってしまうのです。 まるでコミュニティの解散と立ち上げを繰り返すようなものです。
ただ、「螺旋」と述べたように、1度経験しているので、同じミスを発見・予防しやすく、同じ改善アイデアを素早く活用できるので、少しずつ高い位置に登っているのだなとも思います。
このあたり、ノウハウを社内向けに文書化するだけでは、参照機会・想起タイミングが限られます。個人の頭の片隅に蓄積された暗黙知を活かすか。社外に資料を公開して何らかの機会に引っかかるのを期待するか。何らかの工夫が必要になります。
これは勉強会運営に限らず、開発チームの運営も同じだなぁとひしひしと感じております。 だからこそ各フェーズをひととおり経験したことのある人間がチーム運営にジョインすると話が早かったりするわけですね。 何事も挑戦して経験しての繰り返しということで。
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