下町柚子黄昏記 by @yuzutas0

したまち発・ゆずたそ作・試行錯誤の瓦礫の記録

新規事業部署でのじたばた話をしました

概要

Gaiax Technical Meetups - あのサービスはどうやって生まれたのか?というイベントでLTをしてきました。

登壇者の話を聞いて

顧客に徹底的に寄り添っていること。 自分たちでドッグフーディングを楽しんでいること。 愚直に粘り続けていること。

そういった姿勢が伝わってきました。

どんな話をしてきたか

スライドはこちら。

要約としては「新規事業部署でビジネスを立ち上げた→3戦中 0勝 2負 1分でした」という内容になります。

振り返って

リーンスタートアップ

当時はリーンスタートアップという言葉を「とにかく早く多く出す」「テストマーケティングする」と曲解していたように思います。 そのせいで変にこじらせたのではなかろうかと。

現状での自分なりの解釈は、こんな感じです。

  • 事業開発のボトルネックを速やかに排除することが重要である(ここが「リーン」の考え方)
  • 0→1フェーズだと「時間を掛けて誰も欲しがらない製品を作ってしまうこと」が1番の問題となりがち(ここが「顧客開発」の考え方)
  • なので「誰が顧客か」「どんな課題を抱えているか」の二点を最小コストで検証することが最優先(ここから「リーン」x「スタートアップ」)
    • その方法として「最小機能でリリースして意見をもらう」「動画やLPで反響を得る」といったプラクティスを紹介している
    • 市場規模を確認するのは、製品としての勝ち筋が見えたあと

※市場規模については − 正確には「そのビジネスがどこまでスケール可能なのか」の見立てについては − 『Lean Startup』や『Running Lean』、元となったスティーブ・ブランクの『スタートアップ・マニュアル』でも、検証対象として語られてはいますが。

知識創造

なお、ボトルネックの解消の仕方は、チームや市場によって異なっているはずです。

例えば、大企業だと"SECIモデル/知識創造"の座組みが強いように思います。

  • 様々なロール(顧客の状況を把握するセールスやサポート、マス観点で市場特性を把握するマーケター、製品仕様に精通するエンジニア)がいる。
  • 各々が業務を通して意見を醸成する → ぶつけ合う → 顧客が本当に欲しかった製品を作り、欲しいと思えるやり方で届けられるようになる。

みたいな感じですね。

新規事業部署よりも、10年以上続いているサービスを運営する部署の人たちのほうが、担当ドメインの最新事情や顧客の本音について精通しています。

  • そういった問題意識を持った人たちが、自分の可能な範囲で協力者を集めて、まずは小さな成功体験を積むわけです。
  • 最初は「そんなのビジネスになるの?」と言っていたお偉いさんも、何度も会話を重ねるうちに「こうすればグロースするのでは?」と外部事例を輸入してきたり。
  • んでもって、そうした事例の積み重ねだとか、働き掛けによって、徐々に機運が高まり、やがては強力なバックアップのもとで事業立ち上げがなされる。

要するに、必ずしも「紋切り型なスタートアップ像」が正解だとは限らないよ、ということです。

社内起業

他の観点だと、『はじめての社内起業』という書籍では「偉い人をいかに利用するか」に言及しています。 偉い人のもとには、社内の様々な情報が集まっており、確度高くビジネス成功の絵を描くための材料が揃っているはずだからです。

といったことを踏まえると、失敗したと思っていた3つの事業も、まだまだやれたことはあったように思います。

おわりに

なにはともあれ、胸を張って「あのサービス」について語れるようになりたいものです。

はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ

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