この記事は、真・エンジニアの登壇を応援する会 Advent Calendar 2018 - 14日目の記事です。 カンファレンス登壇を通した学んだことをまとめます。
サマリー
- アウトプットこそが最も効率的なインプットだ!
- とにかく場数を踏んでいこう!
- 最初にゴール設定→早い段階で方向性をレビュー→エレベータピッチから始めるアウトライン作成→王道に即したスライド作成→人を巻き込んでリハーサル→当日は心から楽しむ!
実績
以下2つが代表実績となります。 どちらも国内有数規模のカンファレンスですので、私の言い分に関心を持ってくださる方はいるのではないか、と期待しています。 登壇内容はエンタープライズ寄りですが、このエントリーの内容はギークな方々にも通じるはずです。
① PyCon JP 2017 ベストトークアワード優秀賞
② Developer's Summit 2018 Summer アンケート満足度No.1
学んだこと(メリット)
アウトプットこそが最も効率的なインプットだ!
1: 知識を体系化する&経験を振り返ることができます。 振り返ってみると「本当はあの時こうやれば良かったのか」といった、新しい気付きを得ることがあります。 逆説的ですがアウトプットすることが最も効率的なインプット方法だと思います。
2: 露出や実績が次の活動や仕事のチャンスになります。 「スライドを見ました」と声を掛けていただき、そこから案件が生まれたこともあります。 その案件でまた成果を出して次の登壇のネタにする、という無限ループに一時期は入っていました。
3: Q&Aセッションや懇親会でフィードバックをもらうことができます。 そこで初めて「こういうことに関心があるのか」「こういう言い方をしないと伝わらないのか」といったことに気付けます。 肌感覚やトレンドと言いますか、ナマモノの情報を得ることができます。 後追いでネットを眺めるだけでは得られない情報です。
学んだこと(やり方・コツ)
前提
とにかく場数を踏んでいこう!
まずはとにかく場数を踏みました。 去年はLT含めて13本ほど登壇しました。
- 市ヶ谷Geek★NightでGCPの相談LTをしました #ichigayageek - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- #テクシオ で「DevOpsとドキュメントデザインパターン」の話をしました+α - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- Python入門者の集い #PyNyumon でLTしました&プログラミング言語の学習法の自己整理 - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- 新規事業部署でのじたばた話をしました - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- 3年間の振り返りLTをしました - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- 10個のWEBサービスを個人開発した振り返り - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- 社内勉強会の運営について話しました - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- 社内政治をリーンにやろうぜという話をしました - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- スクラム開発チーム立ち上げの失敗談を話しました #GWD_Nulab - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- PyCon JP 2017(前述)
- XP祭りで開発高速化の話をしました #xpjug - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- 開発運用チームを立て直した話 - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
- GCPUGでデータ基盤の話をしました #gcpug - 下町柚子黄昏記 by @yuzutas0
最初のほうはひどかったです。黒歴史ですね。毎回反省会を行いました。 アウトプットしまくって、恥をかきまくる。 これが効率的にレベルアップする最高の方法だと思います。
上記のイベントは主に以下の方法で見つけました。
まず、モヒカンslackの #_event
チャンネルをウォッチしてLT枠のあるイベントを探しました。
また、この手のイベントに詳しい同僚・先輩に相談して、オススメのカンファレンスを紹介してもらいました。
特に @shoito さん @i2key さん @poohsunny さん にはお世話になりました。
改めてこの場でお礼申し上げます。
プロセス
ゴール設定→早い段階で方向性をレビュー→エレベータピッチから始めるアウトライン作成→王道に即したスライド作成→人を巻き込んでリハーサル→当日は心から楽しむ!
1: 登壇するときには最初にゴール・目的を設定します。 ターゲットは誰で、どんなメッセージを伝えて、どんなアクションに繋げてほしいか。 方向性が明確でないと、結局何が言いたいのかよく分からない登壇になってしまいます。
2: ゴール・目的の叩き台を作ったらレビューを受けます。 カンファレンスの運営者や過去の登壇者と何回も壁打ちを繰り返しました。 イベントごとに客層や雰囲気、主催者が期待している方向性があります。 それらを踏まえてゴールを練り直します。 どんなに素晴らしい内容だったとしても、イベントに合っていなければ残念な感じになります。
3: 方向性が決まったら、登壇のアウトラインを考えます。 私はエレベーターピッチから始めます。もし制限時間が30秒だったら何をどう伝えるか。 もし1分なら?もし3分なら?……と、徐々に時間を伸ばして組み立てます。 このやり方ですと、中心となるメッセージがブレにくいので、シンプルな構成を保ちやすいです。 いきなりスコープを広げて「30分でこれを話そう」と書き出してしまうと(少なくとも私の場合は)論旨がぼやけたり、やたら理屈っぽい発表になりがちでした。 CfPが必要であればこのタイミングで提出します。
4: アウトラインができたらスライドを作成します。 「1スライド・1メッセージ」「色彩は強調(青)+補完(オレンジ)+ベース(黒)の3色構成」といった王道を守っています。 具体的な考え方やテクニックについては「見やすいプレゼン資料の作り方 - リニューアル増量版」という最高の資料が無料公開されています。
5: スライドができたらスピーチの練習です。 人に付き合ってもらって指摘を受けながら練習を重ねました。 「丁寧に話そうとして遠回しな表現をすると余計に伝わらない」「大事なところほど早口になりがちで聞こえにくい」「ただスライドを読んでいるだけで退屈」といったフィードバックを浴び続けます。 ちなみにPyCon JP 2017 のときは20回ほどリハーサルしました。
6: 登壇当日はとにかく楽しむことを意識しました。 せっかく時間を割いて聴いてくれているのだから、話す人が楽しんでいないと失礼です。 もしプレゼンの中身がダメでも「なんかこいつ楽しそうだな、元気もらえた」と思わせたら、それだけでも価値のある時間になります。 少しでもネガティブな気持ちになったときには、このように自分に言い聞かせています。
まとめ(全体的な考え方)
聴き手・主催者・推薦者などの関係者1人1人に対して、何らかの価値を提供することを念頭に置いています。 「聴いて良かった」「CfPを通して良かった」「紹介して良かった」と思ってもらえるように心掛けています。 Giveを徹底するからこそ、同じように相手からも価値を提供してもらえる(自分がメリットを得られる)のだと思います。
また、私がアジャイル脳なので「当日までにイテレーションを1回でも多く回して学びを最大化する」というやり方を心掛けています。 例えばリハーサルですが、スライドが白紙のうちから始めます。即席でホワイトボードに絵を書きなぐってプレゼンしていました。 「こういう風に話すならこういうスライドが必要になる」と気付き、後工程(リハーサル)から前工程(スライド作成)に要求をプルできます。 リハーサルを毎日繰り返して軌道修正していきます。まさにリーンな登壇準備です。
参考書籍
このエントリーの内容は『TEDトーク 世界最高のプレゼン術』という書籍に影響を受けています。ぜひ読んでみてください。
- 作者: ジェレミー・ドノバン,中西真雄美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/18
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①登壇のご依頼・ご相談があれば、ぜひお気軽に@yuzutas0にご連絡ください。
②12月15日(明日)は 若手エンジニアのための技術カンファレンス「Developers Boost」(デブスト) で登壇します。 お越しの方はぜひお声掛けください。 長々と偉そうに書いておいてアレですが、大人の事情で今回は全く準備しておりません。 過去登壇の再演となります。
余談
このエントリーを書いたのは、「エンジニアの登壇を応援する会」というコミュニティのSlackで自己紹介をしたときに、水殿(Midono)さんに登壇に関するご質問をいただいたことがきっかけです。
このように言語化することで客観的に振り返る機会となり、自分の思考を整理することができました。 質問していただけて本当に良かったなぁと思っています。改めてこの場でお礼申し上げます。
おわりに
準備ができたからアウトプットするのではなく、アウトプットするから準備ができるのだと思います。 むしろアウトプットを始めるのが遅れるほど、アウトプットのハードルは高くなるものです。 ということで、どんどんアウトプットしていきましょう!