下町柚子黄昏記 by @yuzutas0

したまち発・ゆずたそ作・試行錯誤の瓦礫の記録

なるべく一手で済ませたい委員会

「なるべく一手で済ませたい委員会」とは

  • 雑談や交流については自由に楽しむ
  • 事務連絡については、ショートカットできるならショートカットする
    • 一手で済むものに二手、三手を費やさない
    • 人生の貴重な時間を無駄にしない→ハッピーなライフをエンジョイする

よくある場面

チャットで以下のような場面に遭遇することがある。

A「候補日は〇〇日、〇〇日、〇〇日です」(①)

B「〇〇日が空いています」(②)

A「では〇〇日でお願いしてもいいですか」(③)

B「はい」(④)

A「忘れるといけないのでカレンダーを送ったほうがいいでかね」(⑤)

B「そうですね」(⑥)

A「カレンダーを送りますね」(⑦)

B「よろしくおねがいします」(⑧)

A「カレンダーを送りました」(⑨)

B「ありがとうございます」(⑩)

もどかしい!

こうなってほしい

A「候補日は〇〇日、〇〇日、〇〇日です」(①)

B「〇〇日でカレンダーを送りました」(②)

A「ありがとうございます」(③)

私の周囲だと @mizuki_takenobu@DataVizLabsPath といった方々とのコミュニケーションは、スムーズで快適だと感じる。

どこに無駄があるか

最初の例には無駄が多い。

  • Aさん

    • いちいち回答を待つ必要がないことまで確認している
    • Aさんと一緒に何かをやると、なかなか話が進まないだろう
    • 片っ端から確認&回答しないといけない
    • 「じゃあどうする?」「誰が何を決めたら話は進む?」といったファシリテーションが必要になる
  • Bさん

    • とことん受け身で自分から何もしていない
    • Bさんと一緒に何かをやると、負担を覚悟しないといけないだろう
    • 作業を1つ1つお願いしないといけない
    • あるいは自分が全ての作業を担ったほうが早いかもしれない

一手で済むと何が嬉しいか

  • やりとりを10回 → 3回に削減できる
    • 実際にはもっと効果は大きいはず
    • ①で候補日を出す前に、同じようなやり取りが続いているだろう
  • 結果1:リードタイムを削減できる
    • お互いに1時間ごとにチャットをチェックして返信する場合(ミーティングが多かったり、作業に集中すると、頻繁には返信できない)
    • 10回 → 3回に削減すると、完了までの期間を「10時間」→「3時間」に短縮できる
    • 1つのトピックについて 7時間のリードタイム削減 になる
  • 結果2: 稼働時間を削減できる
    • 40個のSlackワークスペースに入っている場合(私が現在ちょうどそのくらい)
    • 1つのワークスペースごとに毎週3テーマをやりとりするとしよう
    • 1テーマに「10回」のやりとりを費やすと、40x3x10=1200回になる
    • 1回のやりとりを平均60秒で返信する場合、1200x60÷(60x60)=20時間を費やすことになる
      • 週に20時間を費やすのは「多すぎではないか」と一瞬思った
      • あながち外していないはず
      • 管理職の中には、稼働の大部分をコミュニケーションに費やし、自分の作業を進められるのは早朝か深夜だけ、という方も多いだろう
    • 1つ1つのやりとりを「10回」→「3回」に減らせると、稼働時間を「20時間」→「6時間」に短縮できる
    • 毎週14時間の稼働削減 になる

「一手で済ませる」とお互いに意識することは、互いの人生の貴重な時間を尊重することに繋がる。

コンバージョンにも直結する

  • Good:某ブラックホール企業の人事担当は、面談日程の抑え方を最適化していた
    • ストレスなく返信できるように、文面やオペレーションが磨き込まれている
  • More:転職エージェントからのメッセージには、コンバージョンしにくい
    • 「詳細は個別にお伝えします」
    • (事情は分かるので仕方ないが、そうは言っても)いちいち返信していられない

「一手で済ませる」ことの副作用

  • チャット投稿のハードルが上がってしまう懸念がある
    • もっと気軽に質問したほうが良い場面でも、相手に迷惑かなと思って質問できなくなってしまう
    • これは良くない。
  • 一手で済ませるのは、あくまでも「完了させる」ことが前提
    • 効率的に完了できるから嬉しいのであって、一歩も進まないのでは本末転倒
    • 二手や三手を費やしてでも、きちんと完了させるほうが、完了できないよりはマシ
  • そういうときはどうするか
    • 以下のようなコミュニケーションができると良いのかなと思った
      • 「ここまで自分で調べたけどここが分からないので聞きたい」
      • 「こういう調べ方をしたけど上手くいかないので教えてほしい」
      • 「ここまで自分でやったけどここが判断できないので確認したい」
    • 少なくとも「物事を前に進めようとする意思」「貢献しようとする意思」を示せる

一手で済ませるために何ができるか

  • プロジェクトとしては「こういうときはこう動きましょうね」とコミュニケーションポリシーを定めることになるだろう
    • 上司・部下の関係ならば「こうやって仕事を進めてくれると嬉しい」と指導することになるだろう
    • あるいは、最初に「ここまでは自己判断でOK」といった意思決定の権限委譲が必要になるだろうか
  • そのくらいやらないと、仕組みとしてはスケールしないのかもしれない
    • みたいなことを『経営計画は1冊の手帳にまとめなさい』を読んで思った
    • 経営計画と銘打っているが「マニュアルをちゃんと作りましょう」「スタッフに浸透させるためにトレーニングを提供しましょう」という内容だった