下町柚子黄昏記 by @yuzutas0

したまち発・ゆずたそ作・試行錯誤の瓦礫の記録

漫画『ブルーピリオド』がマジでオススメという話

オススメ本 Advent Calendar 2019の22日目の記事です。 ネタバレがあります。ご注意ください。

もくじ

どんな漫画?

ざっくり言うと、器用貧乏だった主人公が、絵を描くことにハマって、藝大入試に全力投球する漫画です。 美大受験の経験者たちが口を揃えて「多少ご都合主義はあるけど、実際こんな感じだった」と言っていたので、多分正確なのでしょう。

なにゆえオススメ?

特に仕事やキャリアに悩んでいる人には示唆が多いように思います。

現代の仕事やキャリアには「こうしたらOKだよ」という明確な答えがありません。 アートという分野の話だからこそ、現代を生きる人に突き刺さるのではないかと思いました。 「お前はどうしたいんだ?」「お前は何を表現したいんだ?」という問いに向き合うのがアートだからです。

多感な時期の青年が、進路に悩んで、目の前のことに打ち込もうとして、でも上手く結果に繋がらなくて、 明確なチームや相手がいるわけでもなく、どうしたら評価されるのか明確な答えがあるわけでもなく、 もがいて、もがいて、もがいて、そうやって前進している漫画です。私には突き刺さりました。

また、主人公は努力家で、切り替えが早くて、成功体質を身に着けているので、 そういった思考をトレースしながら読めるという点だけでも面白いです。

名言の数々

ということで、つい私がiPhoneに保存してしまった名言の数々をご紹介します。 あと雑な感想や自分語りも付け加えます。

1巻

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

どうして普通の大学なら食べていける保証があるんでしょうか? 今は東大生も就職が難しいと言われる時代ですよね? なら一芸持っている美大生はある意味、有利かもしれませんよ。

頑張れない子は、好きなことがない子でしたよ。 好きなことに人生の一番のウエイトを置くのって、普通のことじゃないでしょうか?

(都合の良い結果になるかは)分かりません! でも好きなことをする努力家はね、最強なんですよ!

これは自分が採用側だったときも思ったし、転職活動をしたときも思ったし、業務委託をやったときも思った。 反直感的だけど、興味のある分野に突き進んで、とがった成果を1つ出したほうが、マッチングしやすい。

最近の早期退職志願、リストラ、副業解禁といった話にも繋がる。 安心を得るために、何となくで道を選んでも、結果として逆効果になりかねない。

海外の大学に行ったほうが良いのか。 博士号を取ったほうが良いのか。 外資企業に転職したほうが良いのか。 職種を変えたほうが良いのか。 独立したほうが良いのか。 英語を勉強したほうが良いのか。

これらも全部同じ問いだと思う。 どれも手段に過ぎないわけだから。 手段から入ることを否定はしない。 だけど、それだけが答えじゃないよね、とは思った。

どれだけ年を取っても、好奇心と活力さえあれば、新しいことを学べるし、きっと活躍できる。 だけど、好奇心と活力が尽きてしまったり、チャレンジから逃げる癖がついてしまったら、厳しいと思う。 本心から目を背けた「逃げの一手」は、安心を得るどころか、破滅の一歩ではないだろうか。

初心者でよくあるのは「見ないで描く人」と「見ているのに立体感がでない人」の2つです。 上手な人と何が違うか…それは「ソレをソレらしく見せる情報を選んでいる」ということ。

よく観察して描くのが基本です。 でも絵ですから何を描けばそれらしくなるかというウソも大切です。

色々な仕事で当てはまる話。 「らしさ」「見せ方」ってのは大事だなと。

スライドや資料を作るとき、事実を抑えた上で、あえて見せ方を脚色することもある。 企画職で言うと、リサーチや分析をした上で、どこを勝ち筋として抑えるか、なんだろうなぁとか。 システムやオペレーションを設計するとき、あえて異常系を切り捨てて、走り出しを早くしたり。

冷静になんかなんなよ。 今は描いた枚数と上手くなった分だけが、俺の自信だ。

他人と比べて落ち込みそうな時! 目標と比べて落ち込みそうな時! こうやって自分を狂わせるしかないでしょ!みたいな。

どうせ当初の目標を達成しても、その時にはまた次の目標が遠くて、きっと凹む。 いちいちネガティブになったらやってられないって!みたいな。

予備校の利点はいろいろありますよ。 生徒全員が美大を目指す環境。 有名美大出身の講師たち。 そして充実した資料。 傾向や対策でより合格の確率を上げてくれるはずです。

目標を達成しやすい環境に身を置きなさい、という話。

例えば、海外に転職したかったら、TOEICの勉強をするのも大事なのだけど、 さっさと海外に行っちゃうとか、外国人比率の高い部署に異動するとか、 出張が多い部署に異動するとか、そういう手を打ったほうが話が早いよね。 みたいな。

個人的な話をすると、新規事業企画とかダッシュボード構築とか、 やってみたいなぁという仕事があったら、勉強してスキルを身につけてから話をするのではなくて、 とりあえず「やらせてほしい」と知り合いに声を掛けて、リモートワークx業務委託で仕事を発注してもらって、 そのあと慌てて勉強しながらやり抜く、という動き方をするようになった。

本で読んでもわからないから面白いんだ。 理性は感性の後ろにできる道だ。 だったら、だったらいっそ、楽しんで描こう。 いっそ遊ぶつもりで。

勉強してから実践するよりさ、実践してから勉強したほうが、すんなり理解できるよね。的な。 社会人の勉強はこれだなぁと思いますね。

クリエイティブな分野なら、先に案件を取る。 そしてアウトプットを出す。 アウトプットを出す過程で必要なスキルや知識を身につける。 そのアウトプットがそのままポートフォリオになって、次のチャンスにつながる。 勉強してから案件を取るのでは遅い。 アウトプットを出すための試行錯誤を楽しまなければ。

アカデミックな分野なら、まずは現場の課題をヒアリングする。 いきなり10冊も20冊も専門書を読まない。 ヒアリングして、論点を整理して、仮説を立てて、色々な人と壁打ちする。 んで、仮説をもとに、その分野の良書を1冊だけ読む。 読書とは著者との対話のようなもので、仮説を念頭に置いて読むと、多くのことを教えてくれる。 仮説がブラッシュアップできたら、現場で実践する。 実践した上で、違和感をメモして、またヒアリング。 そのヒアリングをもとに、必要な本を読む。 この繰り返しで専門家になっていく。

2巻

ブルーピリオド(2) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(2) (アフタヌーンコミックス)

まずは "自分が何を好きか知ること"

美術館に行く。画集を見る。 絵・立体・写真・映像・漫画・文章。 なんでもいいから自分がピンときたものをファイリングしてみるの。 もちろん作品は作りながらね。 そうすれば "自分の好き" がわかるわよ。

好きなこと・やりたいことを問われて「うーん」ってなるようだったら、 インプットとアウトプットを大量に重ねながら、徐々に意見を形成するのが一番の近道だね!!!

いや、変なほうに考えんな! 今は、とにかく絵作りだ!

主人公のフォーカスする力がすごい。 雑念に振り回されずに、目の前の課題にだけフォーカスする。 これができるかどうかですよ。

自分の好きな作品の傾向はだんだんわかってきた。

"作品はその作家が出した一つの答え"

"真似!大いに結構!"

これを、俺の、絵に、落とし込む!

良いなぁと思ったものを、模倣して、自分のものにしていく、的な。 ジェームス・W・ヤングいわく、新しいアイデアは既存の要素の組み合わせ。 ジョセフ・シュンペーターいわく、イノベーションは新結合。 どんどん模倣していきましょう。

すべてのものが画材なのか。 絵って思ってたよりずっと自由だ。 けど技術があればもっと自由に飛べそうだな。 構図も、視線誘導も、デッサン力も、画材センスも、全部、押してくれる。

How(手段)の話。 ちゃんと基礎技術は抑える。 一方で、既存の制約や思い込みにとらわれない。 そういうの大事ですよね。

俺は世田介君の絵も桑名さんの絵も描けない。 でも、俺の絵は誰も描けない。 どう描いたって俺の絵だ。

美術じゃなくてもよかった? 世田介君に何がわかるんだよ。 確かにあのとき体験したことが違うことだったら 今、絵を描いていないかもしれない。

でも、今はコレに全部賭けるって言ってんだよ。 美術(コレ)しかないんだよ。

エンジンが爆発してる。

こわい。こわい。でも殺す。 死ぬほど怖いよ。 でもそれ以上に、ひれ伏させたい。 俺の絵で、全員殺す。 そのためならなんでもする。

主人公の感情が爆発して、メッセージ性の強烈な絵を描き上げた場面。 「なぜ表現したいか」(Why)と「何を表現したいか」(What)が明確に描写されている。 このくらいのメッセージ性を持って行動できたら、ラクではないだろうけど、 エネルギーに満ち溢れたアウトプットを出していけるのだろうなと思った。

なんで上手な浪人生より、上手くない俺のほうがいい順位だったんですか?

良い絵だったから。それだけよ。 答え方・視点・挑戦、すべて明確だった。

技術や知識は強力な武器だけど、欲ばったり使いどころを間違えると、曖昧な絵になる。 矢口のあの絵は、武器が少ない分…いや割り切って武器を使ったから明瞭な絵になった。

あらゆる分野で專門分化が進んでいる。 それゆえにHowが先行してしまい、WhyとWhatが不明確になっている。 そういうアウトプットは多い。

スキルマップを埋めることに焦ったり、Howを100%習得しようとして、つい情報に振り回されがち。 だけど今ある武器を活かすことを考えればいい。 WhyとWhatを明確にして、逆算でHowを抑えるだけでも十分ではないだろうか。

実践を重ねるうちに「これはできるようになっておこう」という課題が明確になる。 そうなってからでもHowの網羅は遅くないのかなと。

3巻

ブルーピリオド(3) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(3) (アフタヌーンコミックス)

…いや、言い訳すんな。 コレがマジの試験なら、言い訳ばっかのダセー奴だぞ。

好き。スタンスが優秀なんだよなぁ。

初めての出題形式に戸惑うシーン。 結果としてはボロクソなんだけど、全力でぶつかってボロクソなので、 そのあとの学習で「そういうことだったのか」と吸収するスピードが早い。 分からないなりに全力で挑戦すれば、損はないわけですね。

今年受かっても来年受かるかわからん世界や。 藝大受験はな。 楽しくやったほうがええで。

楽しく…か。確かにそうだ。 キャンバスの中では自由なはずだ。 楽しくやろう!

勉強する範囲を教えてもらって、勉強して、そのとおりにテストに出て、 勉強したことを回答用紙に書いて、それができたら合格です! なんてこと、世の中では、むしろ少数だよなぁと思った。

自分が同じように行動しても、タイミングやシチュエーションや相手によって、 上手くいくこともあれば、上手くいかないこともある。 そもそも明日事故で死ぬかもしれないわけで、信じられないくらい理不尽な世界で生きている。

おっしゃるとおりですよ。せめて楽しまないと損じゃね?と思った。

受験前の今だから意味があるんです。 最近、受験以外の絵、描いてないでしょう?

ストレスフルな仕事で扱っているテーマを、あえて仕事以外でやってみる。 これ普通にアリですよね。

仕事だと出来ないような技術面(How)のチャレンジができる。 仕事より小さな規模でWhy・What・Howを表現できる。 制約をずらしてみると、違う角度から対象と向き合うきっかけになる。 そこでの気付きは、仕事に還元できる。

ストレスフルな状況だとしても、ストレスフルな精神状態になったら本末転倒。 あえて違う角度から見てみることで、ポジティブな作用を及ぼすのではなかろうか。

美術部の夏休みの課題は、デッサンで描写力・観察力をつけ、 スクラップブックでアイデアを増やし、1日1枚写真で構図力や視点を探る。

どの分野で能力を伸ばすときでも、似たようなことをやると良さそうだなと思った。

1日1つビジネスアイデアを考えるという生活を何年もやったので思うところはありますね。 スクラップブックに相当しそう。 リサーチ(=デッサンに該当?)や、企画書・LP作成(=写真に該当?)をやったらもっと効果あったのかなとか。

俺はずっと「構図」のことばっか考えてた。 でもそれ違うじゃん。 「構図」は「言いたいこと」じゃなくて「手段」じゃん。 …俺は、ずーっと「手段」で「手段」の絵を描いてたのか…。

Howはもちろん重要なのだけど、Howばかり考えていると歪むときはあるよね。 Howは向き合いやすいんですよね。 ステップアップが見えやすい。 でもWhy・Whatと向き合うことから逃げてはいけないね。 結局何がしたいんだっけ?っていう。

好きなことをやるって、いつでも楽しいって意味じゃないよ。

わかる。

(ショートケーキについて) "白い"クリームの中に、大きな苺の"赤"。そんで中にも小粒の"赤"がまばらにある。 まるで「主役」と「視線誘導」。

紅白歌合戦や紅白まんじゅうを思い浮かべて)前にテレビかなんかで "紅白カラー"がショートケーキの人気のヒミツだって言ってたな!

評価されるものは、いくつも"強み"がある。

何かを学ぶときは、良いものに触れて、良いものを分析して、良いものを模倣する。 これが鉄則だと思った。 舌が肥えると、改善の方向性に気付けるようになる。 ダメなものばかり見ると、何がダメかは言えるが、じゃあどうしたらいい?に答えられない。

画材って不思議っすね。 苦手だったモチーフとかも画材変えてみると「あれ?」ってくらいすんなり描けたりして、 俺が想像してた以上のとこまでひっぱっていってくれる、みたいな?

Howを選ぶときはEasyが大事だよね、と思った。

他の人にとっては大変なことでも、自分にとってはすんなりできちゃったり。 逆に自分にとって大変なことでも、他の人ならすぐできたり。 だからなるべくEasyなところで戦うのが良いのかなと。 代わりに他の人にどんどん頼るのが良いのかなと。

ツールに決まりがあったり、無理にツールをカスタマイズしようとして、Howのための仕事が増えると大変。 一番ラクできるやつを選べばええやんと思ったりもします。 便利なものがどんどん出てくる中で、理想に拘泥するより、Easyという軸で選んじゃって良いんじゃないかなと。

一方で、色々なHowを試したり、時間を費やさないと、どれが適しているかは分からないわけで。 そういう意味で専門家の強さというのは今まで以上に重要になってくるのだろうなとも思ったり、 どんどん専門家に教えてもらって真似していくのが良いのかなとか。

4巻

ブルーピリオド(4) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(4) (アフタヌーンコミックス)

……先生の言うことも一理ある。 でもやっぱリスキーすぎるだろ…! このタイミングで油絵やらないって…! この中で油絵のスタイルが固まっているのは桑名さんくらい…。

…いやわかってる。 現役生は、時間がないんだ…!

うすうす気付いてたけど、藝大の油絵専攻はデッサンは「できる」前提。 その上で自分の表現ができてるかどうかを見るわけだ。

浪人生はある程度技術がある。 合否の分かれ目は精神的な部分だろーな。 でも現役生の技術力は合格水準ギリギリ。 つまり目の前の1次試験に全部を賭けなきゃいけない…!

浪人生:スキルは身に着いているけど精神力の勝負。 現役生:スキルを身に着けながらギリギリの綱渡り。 結局どこにも安全圏なんてないんだよ。

現役生は浪人生になれるけど、逆は無理。 だったら最初から全力投球するしかないよねと思った。 浪人生を否定するのではなくて、浪人すれば良いやと思っている現役生は違うよねと。

多分、キャリアを考えている人たちは、似た立場なのかもしれない。 技術を習得してから案件を受注しようとか、経験を積んでから起業しようとか、 そういうのも同じかもしれない。

まだやれる?

(「やれる」って描けるかってことだよな…。まじか。)

(…いや確かに時間がないなら数の力に頼るしかない。 でも帰宅から就寝まで2時間…。家帰ってからもう1枚くらいいけるのか…?)

(やるしかないか。)

やれます。

本気で打ち込んでいるときってこういう感じだよなぁと思った。 なぁ、このくらい本気でやれてるのかよ、おい。と自分に問いかけたくなった。

1位の絵じゃなくて、矢口の「最高の絵」を目指さなきゃね。

多くの分野では、趣味でも仕事でも、何か1つの分かりやすい軸で競争するわけじゃない。 そこで他人と比較しても意味がない。 自分のベストを尽くすことにだけ集中しないと意味がない。 みたいな。

美大受験は孤独だし…、時間ないし、正解ないし、正気じゃねーよ。

まさに現代社会じゃん。って思った。

でも受験でメンタル落とすのは、自分自信の問題だと思う。

はい。

リフレッシュの方法を決める、カウンセリングに通う、コーチングを受ける、心療内科で診察してもらう。 恥ずかしがらずに、どんな手を使ってでも、メンタルを持続させるのが大事だろうなと思った。 自分がダメになりそうなときでも、上手く立ち直れるように用意しておかないと。 そういうのも含めて自分次第なんだろうなと。

枚数にして残り14枚…。 この1週間をどう過ごすかで多分結果が大きく変わる。

今の俺の課題はなんだ?

リミットが可視化されると、無駄なく重点課題にフォーカスできるよなぁと思いました。 仕事でも趣味でも、まるで無限に時間があるかのように、大量の課題を解こうとしがちだけど、無理。 残り1週間しかなかったら、どの課題を真っ先に解くのだろうか。 最初からそれだけやれば良いのではないだろうか。

マジメさに価値があるのは義務教育までよ。

苦手を克服するのはテストの点の取り方ね。

イイ子でいることを評価してくれるのは、そうだと楽な先生と親だけでしょ?

矢口に足りてないのは「自分勝手力」よ。

好きで楽しんで情熱を込めて作ったものってね、 それを見た人も楽しくなっちゃうものなんですよ。 これはキレイ事じゃなくて本当に。

世の中は自信マンマンで楽しんでるヤツの方が魅力的に見えるのも知ってる。 だから俺もずっと自信のある風に振る舞ってきた。 でも絵の怖いとこは、それが全部バレるとこ。

楽しまきゃ。本気で楽しまなきゃ意味がな…

予備校の先生にさ、お前には自分勝手さと楽しむ力が足りないって言われたんだよね。

昔はあったんだけどね。 でももうその感覚が思い出せないんだわ。

楽しんでるやつが魅力的なのはわかるよ。 俺だってそうなりたいし、そうなろうと頑張ったんだ。 でも楽しむってさ、すげーホンキな気持ちじゃん。

この漫画で一番好きなパート。 読んでいて、一言一言が、突き刺さる。

そうなんだよねぇ。そうなんだよ。そうなんだよなぁ。

(課題への)対応力と、自分勝手力と、楽しむ力は、矛盾してるもんだと思ってた。 今までは俺が課題に「対応」(げいごう)してたからだ。 でもそうじゃない。 課題は噛み砕いて、俺のものにしていいんだ。

与えられた課題(Must)と、自分の表現したいメッセージ(Will)と、自分なりの表現方法(Can)の擦り合わせ。 その過程を楽しむこと。まさにキャリア論だこれ、と思った。

アタシはやるよ。 リスク負っても勝率いじれんならやるでしょ。

グレーな手段を取るかという話。 多くの人がやっていて、他の受験生に迷惑を掛けなければ、事実上黙認されている。 ただしルール上は失格にされても文句を言えない。

ここで「やる」と即断できるのは、不思議な爽やかさがある。 攻める姿勢。勝とうとする意思。いいなぁと思った。

私はジョジョだと7部が一番好きなのだけど、似てるかもなぁと思った。 どんな手段を使ってでもレースで勝ち残る! ただし自分の信念・美学は曲げない!マナーも守る! みたいな。

この課題は……俺のモノだ。

楽しんで

楽しんで…

楽しもう!

本番で自分にこれを言い聞かせられたら、もうプロフェッショナルみたいなものだよね! 知らんけど。

クソッ。 "飛び道具" の真の重要性が今わかったわ。

この人数の中で、目立つことができなければ、おそらく落ちる…!

単純に考えてこの部屋の中から受かるのは1〜2人ってとこか?

最下位の絵より、無難で目立たない絵が一番危険なんだろーな。 逆にヒドい絵でも目が行く絵にできれば少なくとも印象は残せるはず…。

これも現実社会だ。

ついつい「無難で目立たない絵」を描きがち。分かる。 最下位の絵を描く勇気を持たないと、やっていけない。

HUNTER x HUNTER のハンター試験で「印象値」が重視されてたなぁとか思い出した。

同時に存在するんだよ。 絶対受かりたいって気持ちとさ、全員殺したいって気持ちとさ、 合格なんてどうでもいいから、この絵を描かせてくださいって気持ちがさ。

本気で打ち込んでるときの気持ちだ……。 こういう気持ち。こういう気持ちで生きていこうな。って思った。

5巻

ブルーピリオド(5) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(5) (アフタヌーンコミックス)

骨可愛い〜〜。

いい…この曲線美…!

岡田ちゃんテンションたっけー。

あんだけちゃんと息抜きできんのはマジですごいわ。

博物館を楽しむ女子のシーン。

こういう人すっげー尊敬する。 人類の究極系はギャルだろうな。 どうしたらギャルになれるかね。

と思っていたけど、水族館でカメラを持っているときの私は、こんな感じだったらしい。 たしかに、1時間で流し見できる規模なのに、3時間くらい居座って、500枚くらい撮影してた。 自分では気付かないものだなぁ。 楽しむってのは案外そういうものなのかもしれないなぁ。

最初からわかってたことじゃん…! 俺は凡人なんだ…!

ポジティブに開き直って、凡人なりの戦い方をするのは、かっこいいよね。

色を乗せればいいわけじゃない。 選ばないっていう選択をすることも同じくらい大事。

自分の感覚を全部研ぎ澄ませれば、自分が今何を大事にしたいのかが少しずつわかる。 一つ一つの色に心が動く。ただ絵として美しいから選ぶんじゃない。

湿度の高い赤がいいのか、おどろおどろしい赤がいいのか、みずみずしい赤がいいのか、 どんな赤がいい?俺は何を赤で表現したいんだ?

WhyとWhatがあって、それをHowで実現する。 Howに振り回されずに、自分の意思でHowを選ぶ。 Howによってアウトプットが出来て、WhyとWhatが表現される。 そういうときの感覚。すごい。良い。

ここ数ヶ月、休むのもパフォーマンス上げるための行為で、 自分の体が絵を描くための乗り物みたいな…。

アスリートだ。本気で打ち込んでいるとき、こうなるのは分かる。

素敵なことだなと思います。 100年後には死に、いずれ地球もなくなるわけで、自分の生命や肉体は借り物のようなもので、 インスピレーション(精霊)のために無心で時間を捧げるというのは悪くないなぁと。

「死にたい」

「じゃあ裸になって死になよ」

「恥ずかしいと思うなら」

「どう見られてもいいと思えないなら」

「まだ死んじゃダメだよ」

はい。

6巻

ブルーピリオド(6) (アフタヌーンKC)

ブルーピリオド(6) (アフタヌーンKC)

絵を描く前は知らなかった。 絵には勉強することが多いってこと。 でもそれだけじゃダメだってこと。 こんなにも体力がいるってこと。

いや本当にこれですよ。 何事も本気で打ち込むには、いくら学んでも足りないし、とにかく健康第一。 身体も、精神も、情緒も、頭脳も、メンテナンスしていかないと。

始めるのが遅いのなんか、慣れてんだよ…!!

体調不良で試験中に寝落ちして、残り時間が少なくて、焦ったときのセリフ。 くっそカッコいい。

どんな分野のどんな挑戦であっても、焦る理由なんていくらでも出てくるんですよね。 しかも自分より前に進んでいる人たちがめっちゃいっぱいいてさ。 いつだって挑戦者として立ち向かうしかないわけで。 はじめからそういう立場なんだから、ベストを尽くすだけだよねっていう。

今日だけはムリしたほうがいいよ

はい。勝負所ね。

周りの人はもう描き始めてるんでしょ? なら人の答えが見れるわね。

後手に回ってもポジティブ思考〜〜〜!!! いいぞ〜〜〜!!!

結局ね、先手を打っても不安になるし、後手に回っても不安になるんですよ。 だったらポジティブに捉えるしかないよね!

俺はこの天才と同じところまで来たんだ…ッ!

周りがすごくてもポジティブ思考〜〜〜!!! いいぞ〜〜〜!!!

結局ね、周りが自分より雑魚ばっかりでも不安になるし、周りが自分よりすごくても不安になるんですよ。 だったらポジティブに捉えるしかないよね!

ありのままの自分じゃ受かる気がしない。 だからこそ戦略を考える。 だからこそテーマを分かりやすく演出する。

この土壇場で…いや土壇場だからこそわかった。

自信を持てないことを恥ずかしいって思うくらいなら、 ソレ受け入れて戦略練るほうが俺に合ってる。

ポジティブな開き直り!!良い!!カッコいい!!最高!! 凡人!!それはもう仕方ない!!でもいいじゃん!!やっていこうな!!って思った!!

いいだろ、こういう絵があっても。

「正解なのかなぁ」って悩むんじゃなくて「これが正解だから」と開き直るの、良い。

このセリフのあとがさらに良い。 この方向性なのはOKとして、どうやってクオリティを上げていこうか。 前向きに考えている。

自信はないけど、同時にとっても傲慢だ。 戦略的にやれば上手くやれるって思ってる。

凡人が、それでも活躍したいなら、作戦ちゃんと立てるしかないよね! いいぞー!!

後悔はないですよ。反省は死ぬほどあるけど。

試験のことを後悔してるわけじゃない。かといって納得してるわけでもない。 もっと後ろ向き。もう俺にできることがない。それだけだ。

やること全力でやるってそういうことだよね。 開き直って、開き直って、開き直って、開き直り尽くした感じ。

なぁ、後悔も、納得も、置いてけぼりにするくらい、全力でやってんのかてめぇ、って自分に対して思った。

まとめ

ブルーピリオド コミック 1-6巻セット

ブルーピリオド コミック 1-6巻セット

最終的に伝えたいことはタイトルの通りです。 マジでオススメです。

めでたしめでたし。

2019年に観た映画

今年観た映画2019 Advent Calendar 201920日目の記事です。 ざっくばらんに振り返っていきたいと思います。ネタバレありです。

もくじ

01. ヘラクレス

ヘラクレス(2014) (字幕版)

ヘラクレス(2014) (字幕版)

  • 発売日: 2015/02/21
  • メディア: Prime Video

Primeビデオで視聴。 事前のイメージと違って、神々と怪物の物語ではない。 1人の傭兵であるヘラクレスが、仲間と共に戦場で生き、家族の死の真実を知って敵を討つ話。

ギリシャ神話って本当はこうだったんじゃない!?という楽しみ方ができる作品。 ギリシャ旅行の前に観たのだけど、むしろちょうど良かったかもしれない。 当時の人たちの生活に想いを巡らせながら、映画も旅行も楽しめた。

02. アラジン

アラジン (字幕版)

アラジン (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/25
  • メディア: Prime Video

映画館で視聴。 砂漠の町に住む貧しい青年が、王国を乗っ取ろうとする大臣の陰謀に巻き込まれて、 魔法のランプを手に入れて、憧れの王女と結ばれようと奮闘する話。

オリジナルの作品が好きだったので、こうしてリメイクされるのは良いですね。 今の自分を恥じて成り上がろうとする意思、上手くいかないもどかしさ、 広い世界を楽しもうぜと思える明るさ、大切な友達のために一歩を踏み出せる勇気。 すごいと思う。憧れる。

音楽!歌!踊り!アクション!アグラバーの町並み! 現代クオリティで最高でした。

03. トイ・ストーリー

トイ・ストーリー4 (字幕版)

トイ・ストーリー4 (字幕版)

  • 発売日: 2019/10/23
  • メディア: Prime Video

映画館で視聴。 持ち主から飽きられて放置されたウッディが、 持ち主がお気に入りの新しい玩具を、人知れず助けるために奮闘する話。

この作品はいつも感想が尽きない。 エンディングについては賛否両論あるけど、個人的にはそこまで意見できないかな。 おもちゃを捨てたことのある自分が、おもちゃの結末に意見するのは、ちょっと卑怯だと思ってしまう。 自由に楽しくやっていてくれるなら、それはそれで救いがある。

多感な子供時代を「おもちゃ」と過ごしたことのある人にとって「おもちゃ」は題材として強烈すぎる。 大切な何かと出会い、共に過ごし、別れる。 自分から別れを告げることもあれば、自分が取り残されたように感じてしまうこともある。 そんな悲しいことを当たり前のように繰り返して、何も感じなくなったふりをして、 でも心の奥には色々な感情が渦巻いていて、そこに目を向けさせる作品だと思う。

04. トールキン 旅のはじまり

トールキン 旅のはじまり (字幕版)

トールキン 旅のはじまり (字幕版)

  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: Prime Video

映画館で視聴。 『指輪物語』の作者であるトールキンの青年時代を描いている。

田舎町で暮らしていたが、親の死で孤児となり、ロンドンへ。 持ち前の賢さを活かして名門校で親友たちに出会い、芸術で世界を変えようと誓い合う。 創作活動を仕事にできないことに苦悩したり、恋人との交際を禁止されて引き離されたり、 そんな青年時代の終わりに、第1世界大戦が勃発する。 もうこのあらすじだけで泣ける。

イギリスの街並みと、そこに生きる若者たちの物語。 そんな映像を味わう2時間。 TOHOシネマズのレイトショーでマスターズドリームを飲みながら観た。 良かった。

05. 天気の子

小説 天気の子 (角川文庫)

小説 天気の子 (角川文庫)

  • 作者:新海 誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/07/18
  • メディア: 文庫

映画館で視聴。 雨が降り続ける東京で、家出少年が出会ったのは、天気を晴れにできる「100%の晴れ女」。 意気投合して惹かれ合う2人だが、言い伝えによると「天気の巫女」は異常気象を解決するための人柱だった。 みたいな話。

自分が似た境遇なので、小さな事務所で奮闘している社長を応援してしまった。 余裕がない時期だろうに、悲しいこともあったろうに、明るく楽しくのんびりと振る舞って、 出来る範囲で周りの人たちに手を差し伸べて、子供の言葉に耳を傾けて、かっこいいっすよ。

あと、天気ビジネスとか、仲間内で盛り上がるのって楽しいよね、みたいな気持ちになりました。

結末は個人的には結構好きで、自分が世界の全てに責任を持っているんだみたいな拗らせ方をしたときに、 いやそうじゃねぇんだよ、水没するなら水没するでそれでも世界は前に進んでいくんだよ、 もっと自分たちの好きなように選んでいいんだよ、晴れるだけが正解じゃないんだよ、という救いがあった。

新海誠さんの作品を観ると、新宿の西口とか、代々木とか、あのあたりを歩きたくなりますね。

06. 言の葉の庭

言の葉の庭

言の葉の庭

  • 発売日: 2014/11/15
  • メディア: Prime Video

Primeビデオで視聴。 靴職人になりたくて雨の日だけ1限の授業をさぼってスケッチをする高校生男子。 生徒からいじめを受けて学校に行けなくなった古文の女性教師。 雨の日だけ出会う2人の「歩く練習」の日々を描いた話。

人生は難しいね。歩いていこうね。って気持ちになりました。

雨が降るのを止めることはできないけど、傘をそっと差し出して、 雨の日を楽しめるようにすることはできるのかもしれませんね。

07. アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

映画館で視聴。 アイネ(ある)クライネ(小さな)ナハト(夜の)ムジーク(曲)。 不器用に恋する人たちが、誰かに勇気を与えたり、誰かに勇気をもらったりする群像劇。

伊坂幸太郎さんの群像劇小説を映像化した作品で、すこしシンプルになっている。 原作の登場人物やエピソードが多すぎるように感じたので映画くらいがちょうど良いかも。

一見してダサい(?)人の、かっこいい瞬間が、いいよね。 妻に出ていかれた旦那さんとか、息子から「あんなオトナになりたくない」と言われたお父さんとか、 そういう人のさりげない奇跡が、巡り巡って色々な人に勇気を与えるわけですよ。

08. アド・アストラ

アド・アストラ (字幕版)

アド・アストラ (字幕版)

  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: Prime Video

映画館で視聴。 海王星付近にある探索船から電磁波が発生し、地球近辺の機器に影響を及ぼして事故が多発。 その異変の背景には、かつて亡くなったと言われていた、主人公の父親の存在があった。 異変を解決すべく、そして父親に再会すべく、主人公は海王星へと向かう。

シナリオ自体は王道。映画紹介サイト等で語られているように、名作の数々をオマージュしている。

なのだけど、上映が終わったとき、疲れている自分がいた。 息が詰まるかと思った。 信じらないくらい、息苦しかった。 宇宙船の中は狭くて暗くて音がない。 映画館の席も狭くて暗くて音がない。 シチュエーションが似ているためか、淡々とした映像のためか、 孤独と不安の中で葛藤する主人公にシンクロした。

良いとか悪いとかではなくて、不思議な感覚だった。 集中して仕事をした後?慣れない旅行先から帰宅した後? そういう疲れ方だった。 そういう疲れ方をする映画があることに驚いた。

09. 空の青さを知る人よ

小説 空の青さを知る人よ (角川文庫)

小説 空の青さを知る人よ (角川文庫)

  • 作者:額賀 澪
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: 文庫

映画館で視聴。 姉の高校時代の恋人が故郷に帰ってきた。2人をくっつけようとする主人公。 しかし、かつて音楽を教えてくれた彼は、夢を諦めかけていて、ひどいことを言ってくる。 そんな折に、なぜか高校時代のときの姿をした彼が、主人公の前に現れる。

高校生ってこんな感じだよな〜〜〜と思いながら観ました。 甘酸っぱい系のやつ。良い。

あと、あいみょんさんの曲を初めて聞いた。 全然あいみょんって感じじゃなかった。J-POPだった。

10. 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

  • 発売日: 2018/03/18
  • メディア: Prime Video

Primeビデオで視聴。 再婚相手の父親と馴染めずに家出を試みる女子中学生と、その子に恋心を抱いている主人公。 あのとき彼女の手を引いていたら……。「もしも」と願った世界で、大人達から逃げようとする2人の話。

中学生ってこんな感じだよな〜〜〜と思いながら観ました。 甘酸っぱい系のやつ。良い。

11. 雲のむこう、約束の場所

雲のむこう、約束の場所

雲のむこう、約束の場所

  • 発売日: 2014/12/19
  • メディア: Prime Video

Primeビデオで視聴。 津軽海峡に国境が引かれた仮想日本を舞台にしたSFっぽい作品。 いつか自分たちの作った飛行機で、雲のむこうにそびえ立つ塔に行こう。 離れ離れになった3人の男女が、かつての約束を果たすために奮闘する話。

00年代アニメってこんな感じだよな〜〜〜と思いながら観ました。 甘酸っぱい系のやつ。良い。

12. マチネの終わりに

マチネの終わりに (文春文庫)

マチネの終わりに (文春文庫)

映画館で視聴。 40代の男女のすれ違いの恋。 あらすじを書きたくない。泣く。

誰かを好きになるのに理由はいらない。 何かを基準にしたり、比較しなくていい。 好きなら好きで良いじゃないか。 どんなに遠い場所に離れていても、どんなに短い時間しか一緒にいられなくても、たとえ想いが叶わなくても、 相手のことを大切だと思うなら、その気持ちを否定しなくて良いじゃないか。

そういう気持ちになりました。

13. 美女と野獣

美女と野獣 (字幕版)

美女と野獣 (字幕版)

  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: Prime Video

Primeビデオで視聴。 呪いで姿を変えられてしまった野獣と、村の人々から理解されない読書好きな女性が、真実の愛に辿り着く話。

ベルの母の話(アニメ版にはなかったはず)やガストンがめっちゃイケメンだったりと差分が面白い。

最後のシーンは、やっぱりすごいよなぁと思った。 自分を傷付けるであろう未来が分かっていて、それでも相手のための選択肢を選べるのは、すごいことだ。

見返りを求めない愛情は、正しくて美しいのだけど、そう簡単にできないからこそ、苦しんでいるのだろうに。 誰もが心の中に野獣を抱えていて、いくら頭で分かっていても、自己愛が呪いのように邪魔をするのだろうに。

フィクションでも良いんだよ。 こういう作品と触れ合うことで、少しでも優しい気持ちになって、誰かのために何かできるなら、良いことだ。

14. アナと雪の女王

アナと雪の女王2 (オリジナル・サウンドトラック)

アナと雪の女王2 (オリジナル・サウンドトラック)

  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: MP3 ダウンロード

映画館で視聴。 エルサたち一行は、国を襲った異変を解決すべく、閉ざされた魔法の森へと向かう、的な内容。

ファイナルファンタジー感があった。まぁシナリオは何でも良い。 続編モノの醍醐味は、慣れ親しんだキャラクターを、楽しく観るという一点に尽きる。 そういった意味では明るい系のミュージカルも多くて良かった。

個人的にはクリストフを応援していました。不器用だけど良いやつですよね〜。 アナは自由気ままに明るく振る舞っているけど、クリストフが支えているからこそ成り立つ場面もあったねと。 ギャグ要員に扱われがちだけどさ、大人になるとさ、あぁいうやつこそカッコいいよねと思うわけです。

15. リメンバー・ミー

リメンバー・ミー (吹替版)

リメンバー・ミー (吹替版)

  • 発売日: 2018/05/29
  • メディア: Prime Video

Primeビデオで視聴。 メキシコのお盆、音楽禁止の一家で、でも音楽が好きな主人公ミゲルは、家族と喧嘩になって家を飛び出し、死者の国に迷い込んでしまう。 死者の国で出会ったヘクター。自分を覚えていてくれる人がいないと死者の国からも消えてしまう。ヘクターには消える前に会いたい人がいた。 ミゲルとヘクターは互いの目的を達成するために手を組む。

アナ雪1のハンス王子もそうだったけど、最近のディズニー作品はひっくり返してくる。 味方だと思っていた人たちが敵で、敵だと思っていた人たちが味方で。 子供にとっての家族というのは確かにそういうものかもしれない。

良い話だった。家族の物語だった。 4世代が一緒に暮らすような、家族の結びつきが強い地域・時代だと「死」が身近だったのだろうか。 お盆の時期には、亡くなった人の思い出話をして、語り継がれていくのだろうか。 いつか忘れ去られていくけど、それでも後に残る人たちのことを、愛おしく思いながら消えるのだろうか。 生きること、亡くなること、誰かを愛すること、誰かを忘れないでいること。 そういうことを考えた。

最後に:映画のある生活

映画を観るようになって、2つの素晴らしい点に気付きました。

映画は他のエンターテイメントに比べて「満足感÷所要時間」がGood。 2時間前後で始めから終わりまでを描かないといけないので、無駄がなく磨き込まれている。 そういった高品質な作品に触れる時間は幸せに感じる。

映画館で観ると余計なノイズに振り回されない。 途中でスマホを取り出したり、一時停止してよそ見することができない。 普段の生活だとつい様々なことに気を取られてしまいがち。 1つの作品に集中する時間は、それだけで価値があるように思う。

ということで、TOHOシネマのシネマイレージ会員になりました。 めでたしめでたし。

データエンジニアリングにおける人事評価基準

じゆうちょう Advent Calendar 2019 18日目の記事です。

概要

データエンジニアリングという業務を扱うにあたって、どのように人事評価を実施するか。 本稿では実践可能なレベルで「評価基準」の例を提示します。

もくじ

背景

データエンジニアリング業務に伴う「人事」(採用・アサイン・育成・評価)について質問を受けることが増えました。

データ基盤の重要性が認知され始めてきたのだと思っています。 組織として力を入れようとすると、評価設計の話は付いて回ります。 仕事の成果を正しく評価できなければマネジメントが崩壊するからです。

人事トピックが出てきたということで、2019年は本格的な「データ基盤」元年と言えるでしょう。知らんけど。 少なくとも、いち担当者の技術的な取り組みを超えて、組織的な仕組みを模索・共有するフェーズには入っているはずです。1

注意点

  • 以下2点を前提とします(Appendixで補足します)。
    • 目標管理制度と人事評価を兼ねる形式であること。
    • 被評価者がコントロールできない事象に対してはフォローを入れること。
  • あくまでも1つの例です。ご自身の置かれた状況を踏まえて、可能な範囲で参考にしていただけると幸いです。
  • 本稿は筆者個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。不適切・考慮不足だと感じさせてしまう点があれば、それは筆者個人の責任によるものですので、どうぞ筆者個人宛てにご指摘のコメントをいただけますと幸いです。

本題: 人事評価の設定例

こんな感じです!

1. マイルストーン(計画)

開発計画の策定・遂行を軸とした設定です。 ロードマップを引いて、マイルストーンを置いて、その進捗を目標とします。

  • 3月までに、KPIの定義についてA部署・B部署マネージャーと合意形成すること
  • 6月までに、KPIの週次モニタリングが運用開始できていること
  • 9月までに、KPIモニタリングについて、A部署・B部署のメンバーに事後ヒアリングを行い、課題管理ができていること
  • 12月までに、課題管理表をもとに翌年の開発計画書を作成して、C部署のマネージャーと合意形成すること

ガチガチの大規模組織であれば上記のような目標設定になるでしょう。 それなりに成熟した事業・組織において、散在したデータを集めたり、データ活用アイデアを実現するには、何かと時間が掛かるものです。

小さなサービス・フットワークの軽いチームであれば「来週までにKPIダッシュボードを作ってね!」といった話になるでしょう。 その規模感に合わせた目標設定の粒度やスケジューリングになるはずです。

2. QCDS(構築)

基盤システムの構築・改修については、開発計画におけるQCDS目標を紐づけることができます。

  • Q:品質(後述するサービスレベルにもとづいて目標設定する)
  • C:コスト(目標とする予算内で実現できたか)
  • D:デリバリー(目標とする期間で実現できたか)
  • S:スコープ(目標とする機能要件を実現できたか)

特筆すべき事項はないかと思います。 データ基盤と言えどもITシステムなので、ITシステム構築における一般的なプロジェクト評価方法を適用できます。

3. サービスレベル(運用)

データ基盤の保守・運用については、サービスレベルにもとづいて目標を設定・管理することができます。

あまりにもシステム障害が多発+事態が改善されない→担当者がマイナス査定になる。 改善アクションによって高いサービスレベルを実現した→担当者がプラス査定になる。 こういった形で評価できます。 本質的にはSREと同じで、サービスとしての信頼性を担保することが求められるからです。

「サービスレベルとは何か」「データ基盤のサービスレベルをどう定義するか」については以下の記事を参照ください。 単純にレスポンスタイムや障害件数をグロス集計するのではなく、サービス品質として「便益・ユースケース」駆動で目標設計すべきです。

yuzutas0.hatenablog.com

yuzutas0.hatenablog.com

4. 利益目標(企画)

以下のような価値観を持つ組織では、具体的な金額目標を設定することができます。

「データ分析を実行してビジネスで成果を出す」ことができる人を「データエンジニア」と呼ぶ

スケーラブルデータサイエンス データエンジニアのための実践Google Cloud Platform

スケーラブルデータサイエンス データエンジニアのための実践Google Cloud Platform

データ基盤・データ分析といった役割はコストセンターとして扱われがちです。 しかし、営利企業がデータを活用するのは、何らかの形で企業価値向上・利益創出に寄与する(と期待している)からです。 価値を生み出していない(ように見える)「データ活用」には、いずれ経営観点で指摘が入るでしょう。2

「データ基盤を用いたデータ分析・機械学習」がビジネス利益創出に寄与できる場面は多々あります。 ABテストによる機能・UIの最適化、コンテンツのレコメンド、セールス業務改善、リテンション(CRM・CCCM)、マーケティング(例:アロケーション最適化)など。 ビジネスモデルによりますが、こうした利益創出ドライバーを支援するときは、数値目標を持ちやすいと言えます。

ただ、いわゆる「開発・運用専任のエンジニア」にこの目標を持たせることはできません。 そのロールがコントロールすべきでない数字だからです。

あくまでも「データ基盤のプロダクトマネージャー」と呼べるようなロールに利益目標を持たせる。 これはアリだと思っています。 プロダクトマネージャーがROIにコミットすることで、強靭なデータ組織へと急進化を遂げることができます(さもなくばチーム解散)。

まとめ

注意点に記載しましたが

目標管理制度と人事評価を兼ねる形式であること

という前提から、必然的に「案件の目標設定」と近似する形となりました。 この基準をベースにして、ジュニアエンジニアであれば「スキル習得目標」といった他の要素も加味し、最終的な評価基準が出来上がるはずです。

「データ基盤も他の業務と同じだ」ということが最も伝えたかったメッセージです。 経験豊富なマネージャーであれば「新しい情報」は1つもなかったはずです。 「データ基盤だからこそ」という特別な要素はありません。

マネジメントのプロフェッショナルが適切なマネジメントを執行することが重要だと思っています。

Appendix

以下おまけコンテンツです。

前提1: 本稿のスコープ = 査定でボーナスが上下するような状況

順を追って説明します。 まず、人事評価の役割は以下の3点だと解釈しています。

  1. 結果をもとに上司・部下の認識を擦り合わせて、次の案件アサインの参考とする
  2. 評価フィードバックを通して部下育成の機会とする
  3. 仕事と金銭的なインセンティブを紐づける(正のフィードバックだけでなく負のフィードバックもありうる)

このうち(1)アサインと(2)部下育成については、日々の1on1のほうが重要だと個人的には考えています。 「四半期に1回」「半年に1回」「1年に1回」といった考課面談だけだと、チャンスが少なすぎるように思うからです。

もし(1)と(2)で悩んでいるのであれば、おそらくデータ基盤特有のトピックではありません。 単純にマネジメントスキルの問題で、週に1回の1on1を組むとか、1日に3分でいいから話を聞くとか、そういう施策のほうが有効だと思います。 なので、本稿では対象外とします。

(3)金銭については以下2点に分けられます。

  • 3-1.「管理職になる」といった給与テーブル自体の移動
  • 3-2. インセンティブ・ボーナスといった単発の増額・減額

評価結果と金銭が連動しない評価制度であれば、検討のリソースを割くメリットは少ないので、本稿の対象外とさせてください。

(3-1)ですが、給与テーブル制度を前提とします。 Netflixのような尖った制度を採用する組織では、大元の思想が異なるため本稿の対象外です。

例えば、通常社員(A)と管理職(B)で2つの給与テーブルがあるとします。 Aなら年収400万円、Bなら年収700万円といったベース金額が設定されるはずです(あくまで例です)。 さらに、エンジニアなら専門職として毎月プラスいくら、営業ならコミッションがボーナスに乗る、といった形で加味されます。

給与テーブルについては、各社ごとに既に何らかの仕組みやポリシーがあるはずです。 カッツモデルを引き合いに出して専門性よりも人間性を見て昇進させるとか、経営陣の目に止まる華やかな成果を出した人が出世しやすいとか。 データ基盤単体の話ではなく、横断的な話となるので、(3-1)は本稿では扱いません。

ということで、本稿は「定期的な人事評価によってボーナスが上下する」という(3-2)の限定的なスコープに影響を与える査定を「人事評価」と呼称します。 このスコープにおける「人事評価」は「案件の目標設定」と結びつきやすいと考えています。 「担当案件で圧倒的な成果が出たからボーナスが増える」という状況が最も自然に思えるからです(主観です)。

なお、プレゼンテーションや社外貢献を評価に含めるエンジニア組織もありますが、私自身はこの制度を経験したことがありません。 どういう力学が働くのかイメージできないので、今回は対象外とさせてください。

前提2: 被評価者がコントロールできない事象に対してはフォローする

本人がコントロールしえない事象に対しては情状酌量すべきだと思っています。 できれば目標設定の時点でなるべく考慮・工夫するのが理想ですが。

例えば

  • 前任者の仕込んだバグ・不具合がもとで、システム障害が多発した
  • 障害対応に工数を割いて、機能追加(基盤強化)が計画通りにできなかった
  • 結果だけを見たら「目標は未達成」となる

よくある話です。

ここでマイナス査定にしてしまうのは、よろしくないかなと思います。 まず、労働者本人のモチベーションとしては最悪ですよね。

さらに、組織としてモラルハザードを助長しうると思っています。 「額面通りに目標さえ達成できれば評価される組織」になります。 今回の例だと「隠せるなら障害を隠しておいて、機能追加したほうが評価される組織」ということです。 要するに「臭いものに蓋をして逃げ切ったやつが得をする環境」です。 どこかで無理が出てくると思います。

なのでマネージャーはフォローを入れることになります。 「目標は未達成だが、こういう事情があったからだ。むしろ障害対応でこういう貢献をしてくれた。だからこの人物はこう評価したい。」 と、さらなる上位レイヤーに対して説明するのです。 経営者の立場だと「いいから目標を達成しろや」「どうするんやこれ」と言いたくなるので、健全な大人の喧嘩が勃発して、ネクストアクションを模索するわけです。 ミドル層が上手く吸収できると、組織は円滑に回ります。

あらゆる例外状況を踏まえた完璧な評価基準が存在するわけではありません。 どこかで必ず運用面でのカバーが入ります。 システムではなく上司(人間)が人事評価をする意味がそこにあります。 これは「データ基盤」や「人事評価」に限らず、「組織制度の運用」において一般的に言えることです。

今回のように「こういう評価基準です」と具体例を示すと、「じゃあこういうときはどうするんですか」と例外ケースの質問をされることがあるので、いちおう明記しておきます。

応用編1: 「データ基盤」という固有トピックにおける技術や案件の評価について

「データ基盤について詳しくないから、正しく評価できない(評価されない)」という話を聞きます。 ただ、エンジニアだろうがデザイナーだろうがマーケターだろうがカスタマーサポートだろうが、今の時代どこも同じだと思います。 「データ基盤だから」ではなく「専門家をいかに評価するか」「専門外の相手にいかに評価させるか」というポータブルスキルの話だと私は解釈しています。

現場で手を動かしているのはスペシャリストです。 経営者が経営の専門家であるのと同様に、マネージャーがマネジメントの専門家であるのと同様に、スペシャリストにはスペシャリストの担当領域があります。 「評価する側」よりも「評価される側」のほうが特定分野について詳しいはずです。

マネージャーには「自分よりも知識のあるスペシャリストを適切に評価できるように話を聞くスキル」が求められます。 スペシャリストには「自分よりも知識のないマネージャーが適切に評価できるように話を伝えるスキル」が求められます。 データ基盤に限った話ではありません。

もしデータ基盤をキッカケとして課題が可視化されたのであれば、むしろマネジメントスキルを向上させるチャンスとして、ポジティブに捉えられると最高ですね! これから時代が変わって次々と新しいスキルの持ち主が出てきても、そのスペシャリストたちと信頼関係を築ける強いマネージャーになれるのですから! すごーい!

一方で、スペシャリストがスペシャリストを評価することを前提とした仕組みもあります。 シニアエンジニアがジュニアエンジニアを評価するようなケースです。 「この座組みは続けたい」「だけど評価できるデータ基盤エンジニアが存在しない」のであれば、打ち手は「外から引っ張ってくる」(採用・技術顧問)か「評価できるように勉強する」(CTO・VPoE・SREチーム・エンジニアリングマネージャー陣)のどちらかだと思います。 専門性が細分化されていく時代において、スペシャリストがスペシャリストを評価する座組みが本当に適切なのか、私個人としては懐疑的な立場ですが。

応用編2: 「データの民主化」の目標設定をどうするか

データ組織が成長して大規模になると、役割分担が進み「データの民主化」専任チームが立ち上がることがあります。 素直に考えると「データ基盤を参照している部署」(広さ)x「データ基盤を参照している度合い」(深さ)でモニタリングすることになります。

ただ、これはAsIsの可視化としては便利ですが、案件目標や人事評価(ToBe設定)にそのまま使うべきではないと思います。

そもそも何のためにデータを民主化するのか。何のためにデータを活用するのか。 もし「利益貢献」がゴールなら「利益インパクトのある部署への導入」といった施策が優先採用されるでしょう。3 この施策と整合的な評価基準を考えると、以下のような形になります。

  • 利益へのインパクト(ゴール)
  • 該当部署でのツール普及状況(ゴールよりも手前の目標)
  • 利益インパクトのある部署がどこなのか、期日までに検討して経営陣にレポートすること(さらに手前の目標)

「データの民主化」という言葉が持つイメージとは違うかもしれません。 しかしコミットする目標としてはこれが妥当です。

「皆がデータを使いやすい状態を実現する」とは、要するに「デザイン」です。 「皆にデータを使ってもらう」とは、要するに「マーケティング」です。 華やかなだけでなく、地道に仮説を立て、ターゲットを絞って、改善していくわけです。 デザインやマーケティングの業務を担当するのと同じです。 デザインやマーケティングの業務を担当するのと同じ枠組みで人事評価すれば良いはずです。

「データの民主化だからこそ」という特別な要素はありません。 既存の要素を参考にして、抽象化・具体化できる思考力があれば、必然的に答えは出てくるはずです。

おわりに

長々と書きましたが、人が人を評価して、そこにお金が絡むわけなので、どこまで書いても書き足らないなぁと思っています。 仮に自分が評価される立場だったら、そのくらい考えてくれる人に評価してもらわないと納得できないんじゃないかな、という気持ちもあります。

データ基盤やデータ活用、あるいはエンジニア組織の立ち上げ・運営について、壁打ち相手を探している!という方がいましたら、 お気軽に@yuzutas0までお声掛けください。DMは全開放しています。


  1. 組織的な仕組みは過去の資料でも言及しているので、興味のある方はぜひ色々と漁っていただけると嬉しいです!

  2. データ組織という名目で、事実上のディレクション組織という場合もあります。短期的な数字目標を持たない立場だからこそ、いわば社内コンサル的な立ち位置で関係者の合意形成に寄与するロールです。ディレクション組織と名乗ってしまうと、既存のディレクション組織とハレーションが起こるため、「数字目標を持たないデータ組織」(だけどディレクション価値を提供している)という建てつけになります。これはこれで企業にとって不可欠な存在と言えるでしょう。こうした組織のあり方を否定する意図はありません。

  3. データ分析屋にこの話をすると「単価*量」で分解できるだろと言われたことがあるのですが、むしろ定量的に考えると「パレートの法則」が働くと仮定できるので、重点部署を攻めるほうが望ましいと個人的には思っています。

逆ジオコーディングな地図ダッシュボードを10分で作る

この記事はデータ活用 Advent Calendar 2018 - 16日目の記事です。

ダッシュボードに関する登壇をしたところ「自社でも地図データを活用したい」と相談いただいたのでTipsを共有します。

もくじ

はじめに

この記事のゴール

WEBメディア訪問者のIPアドレスを元に、エリア別のPV数を可視化します。

  • (データが整備されていたら&リーガルチェックがOKなら&情シス部門に権限を縛られていなければ)10分で出来ます。
  • (BQのストレージやクエリ料が多少掛かりますが)ほぼ無料です。

解決したい課題

  • 運営中のニッチなメディアに、広告を掲載していただきたい!
  • そのメディアの特徴的な情報(アクセスの曜日・時間帯・地域)を広告主にお伝えしたい!
  • 「データの活用」や「レポーティングの徹底」で信頼構築して、相性の良さそうな広告を掲載していただこう!

実行方針

  • BigQueryに「IPアドレスを含むアクセスログ」「ジオコーディング用の公開データ」「都道府県の公開マスタ」を連携します。
  • 上記のデータをSQLでJoinして「地域別のアクセス数」を集計します。
  • 集計したデータをDataStudio(名前がDataPortalに変わったらしい)で表示します。

完成イメージ

地域データを「都道府県」で持たせると以下のようになります。

f:id:yuzutas0:20191223115333p:plain

地域データを「緯度」「経度」で持たせると以下のようになります。

f:id:yuzutas0:20191223115346p:plain

このグラフの横に「東京都:10,000PV」みたいな数値を入れるとそれっぽくなります。

この記事では「都道府県」パターンを目標にします。 途中のSELECT句で取得項目を変えると「緯度」「経度」を実現できます。

注意点

  • 現時点のデータではIPv4のみ対応しています。
  • IPアドレスによっては住所を特定できないケースもあります。

作業手順

1: リーガルチェック

IPアドレスを利用して問題ないか、サービスの利用規約とユーザーの同意を確認しましょう。 「統計情報ならOKか」「社内に加えて他社(広告主)もOKか」といった点に注意してください。

2: データの準備(独自データ:アクセスログ

以下のようなテーブル sample_table をBigQueryの sample_project.sample_dataset に連携します。

id user_id ip_type ip_adress created_at
1 010101 v4 192.0.2.1 2019-01-01 10:00:00
2 010102 v6 2001:db8::1 2019-01-01 10:01:00
3 010103 v6 2001:db8::2 2019-01-01 10:02:00

ユーザーからのHTTPリクエスト(=アクセス)1つが、1行のレコード(ログ)に対応します。

プロジェクト名・データセット名・テーブル名・カラム名は、各自で読み替えてください。 手順5のSQLを変えると再現できます。

3: データの準備(公開データ:ジオコーディング用の変換テーブル)

BigQueryの公開データ fh-bigquery.geocode.geolite_city_bq_b2b.geolite_city_bq_b2b テーブルを元に、新規テーブル geolite_city_bq_b2b_jp を生成します。 「IPアドレスの範囲」「都道府県ID(数値)」「緯度・経度」といったデータが含まれています。

SELECT
  *
FROM
  `fh-bigquery.geocode.geolite_city_bq_b2b`
WHERE
  country = 'JP' 
  • 手順
    • USリージョンの場合:
      • 上記SQL実行結果をテーブルとして保存します。
    • USリージョン以外の場合:
      • 上記SQL実行結果をCSVでダウンロード→BQにアップロードします。
      • 公開データがUSリージョンなのでそのまま移せません。
  • 意図
    • IPアドレスと地域情報を繋ぐための関連テーブルです。
    • 元データのレコード数が多いので日本地域に絞ります。

4: データの準備(公開データ:都道府県マスタ)

都道府県一覧CSVを元に新規テーブル jp_area_list を生成します。 「都道府県の名前(漢字)」「都道府県の名前(ローマ字)」といったデータが含まれています。

  • 手順
    • 上記CSVをファイルとしてローカルにダウンロード→BQにアップロードします。
  • 意図
    • 都道府県ID」を元に「都道府県の名前」を集計するためのテーブルです。
    • 人間が見るためだけでなく、DataStudioで地図を表示するために必要です。

5: SQLを書く

上記で用意したデータ郡を元に、DataStudioで表示できる形に集計します。 「どの都道府県で」「どれくらいのアクセスがあったか」をSQLで返します。

WITH
logs AS (
  SELECT
    IF(ip_type = 'v4', NET.IPV4_TO_INT64(NET.IP_FROM_STRING(ip_adress)), NULL) AS clientIpNum,
    TRUNC(IF(ip_type = 'v4', NET.IPV4_TO_INT64(NET.IP_FROM_STRING(ip_adress))/(256*256), NULL)) AS classB
  FROM
    `sample_project.sample_dataset.sample_table`
),

logs_with_geo AS (
  SELECT
    geo.region
    -- , geo.latitude
    -- , geo.longitude
  FROM
    logs
  LEFT JOIN
    `sample_project.sample_dataset.geolite_city_bq_b2b_jp` AS geo
  ON
    logs.classB = geo.classB
    AND logs.clientIpNum BETWEEN geo.startIpNum AND geo.endIpNum
),

area AS (
  SELECT DISTINCT
    REPLACE(REPLACE(REPLACE(string_field_0, '', ''), '', ''), '', '') AS name, -- to display at datastudio map
    FORMAT("%02d", ROW_NUMBER() OVER(ORDER BY REPLACE(string_field_2, 'okinawa', 'z') ASC)) AS region
  FROM
    `sample_project.sample_dataset.jp_area_list`
)

SELECT
  COUNT(*) AS count,
  area.name AS area
FROM
  logs_with_geo
LEFT JOIN
  area
USING
  (region)

補足1: REPLACE(REPLACE(REPLACE(string_field_0, '都', ''), '府', ''), '県', '')

  • DataStudioは「都道府県の名前(漢字)」を使うと地図に表示できます。IDはダメらしい。
  • 「東京都」ではなく「東京」、「京都府」ではなく「京都」、「奈良県」ではなく「奈良」です。
  • ただし「北海道」は例外で「道」を含めないといけません。ややこしい。

補足2: FORMAT("%02d", ROW_NUMBER() OVER(ORDER BY REPLACE(string_field_2, 'okinawa', 'z') ASC))

  • 手順3で作った geolite_city_bq_b2b テーブルの「都道府県ID」(region)は独自採番です。
  • 採番法則1:ローマ字読みにしたときのアルファベット順。
  • 採番法則2:沖縄県のみ例外で47番目に固定。ややこしい。
  • この採番ルールを再現するために「okinawa」だけ最初に「z」を付けてからソートします。

補足3: logs_with_geo

  • geo.region ではなく geo.latitudegeo.longitude をSELECTすると、緯度・経度ベースで可視化できます。

6: DataStudioでデータを読み込む

以下の手順でデータを読み込みます。

Resource > Manage Added Data Source > ADD A DATA SOURCE > BigQuery > SELECT > CUSTOM QUERY > sample_project > 手順5のクエリを張る > CONNECT > Field: areaType: Region を指定する。

7: DataStudioで地図を描く

以下の手順でグラフを作成します。

  • INSERT > Geo map で地図を追加。
  • DATA に以下を指定。
    • Dimension: area
    • Metric: AUT/ Record Count
    • Zoom Area: Japan
  • あとはお好きにカスタマイズ。

f:id:yuzutas0:20191223115519p:plain

これで冒頭の地図を再現することができます。

f:id:yuzutas0:20191223115333p:plain

手順5のSQLで緯度・経度を集計したら、以下の地図を再現できます。

f:id:yuzutas0:20191223115346p:plain

おわりに

このように逆ジオコーディング(IPアドレス→地図)は簡単に実現できます。 BigQueryやDataStudioといった便利なツールが台頭したおかげですね。 制約やハマりどころは多々ありますが、要件や運用を調整したほうが、ビジネス価値を出しやすいでしょう。

多くの現場において、真に解くべきイシューは、もはや技術面ではないのだと思います。 「このデータは使える状態なのか」「このデータを使って何を得られるのか」ではないでしょうか。 枯れた技術の水平思考によって企業のデータ活用を加速させ、事業開発を推進したいなぁと思う今日この頃です。

スケーラブルデータサイエンス データエンジニアのための実践Google Cloud Platform

スケーラブルデータサイエンス データエンジニアのための実践Google Cloud Platform

2019年の登壇を振り返る

『エンジニアの登壇を応援する会』Advent Calendar 14日目の記事です。遅れました。今年の登壇についてダラダラと振り返ります。

もくじ

02月 #DPCT

主催者である@tetsuroitoさんのご紹介で登壇しました。 お酒を飲みながら話しました。

Data Pipeline Casual Talk (データパイプラインに関する知見をカジュアルに語る会)

この直前(2018年12月)にDevBoostに登壇して、 グダグダになってしまったので、その反省を踏まえて「なるべくシンプルな内容にしよう」と決めていました。

そこで、かつて登壇した「XP祭り2017」 で最も反響があった、@i2keyさんの 『フロー効率性とリソース効率性について』を 参考にしました。

  • 先にブログ記事を書いて反響があったものを登壇スライドにする。
  • 明確なコンセプトを提示して、世間の常識・パラダイムに一石を投じる。
  • オリジナルのアイデアではなく、先人の知恵を自分なりに咀嚼・翻訳している。
  • 意思決定や実務に落とし込むときの勘所まで仔細に提示する。

結果としては狙い通りで、2017年当時「フロー効率性」という言葉が アジャイル界隈でバズった時と同じことが(良い意味でも悪い意味でも)起きました。

この登壇を契機に、2019年における国内の「データ基盤」の資料・スライドの多くで 「データレイク」「データウェアハウス」「データマート」という言葉が目立つようになったと認識しています。

以下のペーパーや書籍にも反映されています。

ここまで影響を及ぼしてしまうと、嬉しいといった個人感情を超えて、業界に対する責任感を覚えました。

07月 #data_ml_engineering

主催者である@syu_creamさんのご紹介で登壇しました。 お酒を飲みながら話しました。

データとML周辺エンジニアリングを考える会#2

システム開発の担当事例をご紹介したシンプルな内容になっています。 以下のモチベーションをもとに登壇しました。

  1. 紹介者への恩返し&関係構築。 @syu_creamさんにはお世話になっています。 主催しているイベントを一緒に盛り上げましょうぜぇぇぇ!というテンションでした。

  2. 生存報告。 長年勤めた前職を辞めた直後だったのですが、幸運なことに3ヶ月で成果を出せました。 前職の人たち(特に当時の上司たち)に「さっそく成果を出したのか」「あいつは大丈夫そうだな」と 安心してもらいたかったという気持ちがあります。 スライドがバズれば、前職の同期・後輩が社内Slackに貼って、話題にしてくれるだろうと期待していました。

  3. 技術の話できますよアピール。 DPCTの登壇資料がコンセプト重視だったり、過去のスライドがビジネス視点だったこともあり、 「あなたは自分で手を動かさないから分かっていないんだ」といったお言葉を寄せられることが多々ありました。 内心イラッとしていたので「ふつうに出来ますけど?」と自己PRしたかったのです。

  4. 社内政治。 社外で資料をバズらせてから、社内で話題にしてもらおうと考え、登壇機会を利用しました。 そこそこ狙い通りの効果を生みました。

09月 #DPM

主催者の1人である@takegueさんのご紹介で登壇しました。 お酒を飲みながら話しました。

Data Platform Meetup

内容面について悩んだ挙げ句「もうこれポッドキャストっぽく垂れ流そうぜ!」というスタンスにしました。

2月の登壇では「コンセプト」を、7月の登壇では「案件事例」を話したので、 今回は「アンチパターンあるあるネタ」にしました。 人気のある登壇コンテンツはこういったところかなと思います。

仕事で毎回同じような相談を受けたり、同じようなディスカッションに巻き込まれてしまうので、 「これを見ておいてください」と言える公開資料を用意しておきたいと以前から考えていました。 ちょうど良い機会でした。

ちなみに、いちおう私も主催者です。 客寄せパンダを担当しました。

11月 #前向きデータ整備人

主催者の@data_analyst_さんにお誘いいただきました。 お酒を飲みながら話しました。

データアーキテクト(データ整備人)を”前向きに”考える会

前回が「あるあるネタ」で、尋常じゃない分量だったので、今回はメッセージをシンプルにしました。

@hik0107さんの 「"S分析" 最強説」 というスライドに影響を受けています。 「とりあえず散布図にしとけば間違いない!」という明確なメッセージ。 「5次元の情報をシンプルに表現できる!」という分かりやすい根拠。 同様のスライドを作れば、世のアナリストに影響を与えられるのではないか、と考えました。

また@tottie_designerさんの LINEスタンプに影響を受けています。 スライドの雰囲気(カラーやフォント)を切り替えて「ほわほわした優しい感じ」にしています。

「ほわほわした優しい感じ」の見せ方は、今年の春先から試行錯誤してはいました。 満を持して登壇資料に投入した形になります。

ちなみに、いちおう私も会の主催者です。 客寄せパンダを担当しました。

そもそもこの会が開催された背景として、 私が「ダッシュボードの話をしたい!」とTwitterやSlackで喚いていたら 「じゃあやろうぜ!」「こっちも話したい内容がある!」と言って企画してくださいました。 すごい。

12月 #AlchemyHackers

主催者の@zyunnosukeさんにお誘いいただきました。 お酒を飲みながら話しました。

個人開発がやりたくなるLT会

直近最もオーナーシップを発揮できた「プロダクト開発」の話なので、何度読み直してもワクワクします。 こういう仕事をどんどんやっていきたいなぁ!

ちなみに、いちおう私も主催者です。 客寄せパンダを担当しましたが、活躍できませんでした。

その他のアウトプット

前職での取り組み(※私はメイン担当ではない)が日経新聞に掲載されました。

支援先のベンチャーインフォグラフィックを公開しました。

最高の仲間たちと一緒に自費出版しました。 yuzutas0.hatenablog.com

後輩の登壇を支援

私より優秀な後輩たちが続々と台頭しているので、 なるべく登壇機会をリダイレクトするように心掛けています。

みんなのPython勉強会42 - Pythonでデータサイエンスをやってみよう

@shoitoさんから紹介いただき、 @lapis_zero09さんにリダイレクトしました。

Data Pipeline Casual Talk Vol.2

@tetsuroitoさんに相談いただき、 @sukukyonさんを推薦しました。

おまけ

  1. 某カンファレンスの基調講演で話してくれませんか?という打診が前職に寄せられたらしい。 しかし退職済みだったので、特に私に連絡が来ることもなく、その話は立ち消えになったらしい。 完。

  2. 私が賞を取ったときはメディアに取材されず、翌年からメディアが動き出す。 TrendMicroの国際プログラミングコンテストで世界3位相当賞だったときもそう! PyConJPでベストトークアワード優秀賞だったときもそう! そしてデブサミ夏!これで3回目!かなしい!

最後に

年々アウトプットが減りつつありますが、来年もアウトプットできるような成果を出したいと思います。

技術同人誌のアジャイル執筆を支えるCI・CD整備

技術同人誌 Advent Calendar 2019の12日目の記事です。

この記事のゴール

本稿ではTechBooster/ReVIEW-Templateリポジトリをベースに

  1. 著者はマークダウンで原稿を書く。
  2. GitHubのプルリクで差分をチェックする。
  3. マージしたら自動でPDF生成→Slack配信。

上記を実現するための取り組み(突貫工事)をご紹介します。

この記事の対象読者

技術同人誌の快適な執筆環境を整備しようとしている方。

自己紹介

販売数1,000部を超えた技術同人誌『個人開発がやりたくなる本』の発起人・編集代表です。 詳しくは以下の記事・スライドを参照ください。

yuzutas0.hatenablog.com

既存のツール

TechBooster/ReVIEW-Templateという有名なGitHubリポジトリがあります。 Re:VIEWという書籍執筆支援システムを手軽に利用するためのサンプルです。 私自身もこのリポジトリをフォークして使いました。

解きたい課題

Re:VIEW独自のファイル形式 .re と記法ではなく、マークダウンで書きたいと考えました。 著者は.mdファイルの編集だけを意識すればOK。 これが理想です。 Re:VIEWの恩恵は受けたいのですが、.reファイルを人手で管理したくないのです。

また、原稿をアップデートしたら、最新版PDFをSlackに自動送信したいと考えました。 最新版の原稿を読んで、気になったところを書き直す。 この繰り返しで書籍(プロダクト)を磨き込む。 いわば「アジャイル執筆」を実現したいのです。

ソリューション①

まずはローカル環境でmarkdown.re ファイルに変換します。 私が突貫で書きました。

./Gemfile ファイルに以下を追記します。

# Custom
#gem 'md2review'

ビルド処理を ./build.sh ファイルに書きます。

sed -e "s/#gem 'md2review'/gem 'md2review'/" Gemfile > tmp && mv tmp Gemfile
bundle

for file in `find ./articles/ -name "*.md" -type f`; do
  ./bundle_bin/md2review $file > ${file%.*}.re
done

sed -e "s/gem 'md2review'/#gem 'md2review'/" Gemfile > tmp && mv tmp Gemfile
bundle

docker run -t --rm -v $(pwd):/book vvakame/review /bin/bash -ci "cd /book && ./setup.sh && npm run pdf"

for file in `find ./articles/ -name "*.re" -type f`; do
  rm $file
done

変換ライブラリ md2review を利用しています。

  1. article ディレクトリ以下にある .md ファイルを探す。
  2. それぞれの .md ファイルに変換コマンドを実行して .re ファイルを生成する。
  3. リポジトリnpmコマンドを実行して .re ファイルからPDFを生成する。
  4. .re ファイルを削除する。

最終的には原稿( .md ファイル)と成果物(PDFファイル)だけが手元に残ります。

ソリューション②

CircleCIでPDF変換とSlack配信を自動化します。 上のコードをベースにして@toiroakrが突貫で書いてくれました。

./.circleci/config.yml ファイルに以下を書きます。

version: 2.1

executors:
  default:
    working_directory: /book
    docker:
      - image: vvakame/review
      - image: circleci/ruby:2.6.3

jobs:
  build:
    executor:
      name: default
    steps:
      - checkout
      - run: git submodule init && git submodule update
      - restore_cache:
          keys:
            - npm-cache-{{ checksum "package-lock.json" }}
      - run: gem install bundler:2.0.2
      - run: bundle install
      - run: npm install --no-save
      - save_cache:
          key: npm-cache-{{ checksum "package-lock.json" }}
          paths:
            - ./node_modules
      - run: |
          for file in `find ./articles/ -name "*.md" -type f`; do
            md2review $file > ${file%.*}.re
          done
      - run: npm run pdf
      - run: $(npm bin)/slaup -f IndieCoderJP.pdf -k pdf -m "PDFが更新されました" ./articles/IndieCoderJP.pdf
      - store_artifacts:
          path: ./articles/IndieCoderJP.pdf
          destination: generated PDF data

workflows:
  version: 2
  build_and_test:
    jobs:
      - build:
          filters:
            branches:
              only:
                - master

Dockerコマンドの内容+マークダウンからの変換処理を反映しています。

なお、Slackに slaup で配信するため、CircleCIの環境変数SLAUP_CHANNELSSLAUP_SLACK_TOKEN を設定します。

得られた体験

マークダウンの原稿を更新して、プルリクをマージすると、

f:id:yuzutas0:20191212235037p:plain

CircleCIでビルド&配信が行われて

f:id:yuzutas0:20191212235055p:plain

Slackに最新版の原稿が届くようになりました!

f:id:yuzutas0:20191212235111p:plain

書籍というプロダクトを開発するにあたって、改善サイクルを高速で回せるようになったわけです! やった〜〜〜!!🎉🎉🎉

終わりに

ご質問等があれば、お気軽に@yuzutas0@toiroakrにお問い合わせください! 皆様も素敵な執筆ライフを楽しんでくださいね!

技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ (技術の泉シリーズ(NextPublishing))

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  • 出版社/メーカー: インプレスR&D
  • 発売日: 2018/04/13
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フリーランスの契約書についてのメモ

遅れましたが、フリーランス Advent Calendar 2019 10日目の記事です。 ついに法人成りしました。バタバタしております。

フリーランスとして企業から仕事を受注する立場です。 自分の身を守るためにやっていることや気を付けているポイントを列挙します。

  1. まずは自分できちんと契約書を読む。
    • 疑問点は行政書士に質問。
    • 次から自分で読めるようにする。
  2. 行政書士にレビューいただく。
    • クライアントが提示した案にリスクが含まれていないか。
    • 初稿だけプロに見ていただき、2稿目以降は自分で差分を確認する。
    • 『個人開発がやりたくなる本』@mogyaさんが紹介しているテクニックです。
  3. 契約書の差分を確認する。
    • Wordで新版を受け取ったら、手動でプレーンテキストにコピペ。
    • $ diff file1 file2 というコマンドを実行して差分を確認。
    • もしかしたらGoogleDocsやGitHubで管理したほうが効率的かも。
  4. 契約期間を短めにする。
    • 例:3ヶ月単位の契約にして、お互いが合意したら契約を更新する。
    • 例:「この義務は本契約終了後1年間継続する」。
    • 何か不服があっても指定した期間だけ我慢する。
    • 互いにリスクを抑える。
  5. 途中解約時にも請求する。
    • 例:「xxxは業務委託料を、解除の対象となる契約締結時から解約時までの分、日割計算に基づき、xxxに支払う。」
    • 泣き寝入りやタダ働きはしない。
  6. 契約開始時にxx%の前払いを請求する。
    • これは相手による。契約書を擦り合わせている時点である程度しっかりしているので使ったことは少ない。
    • ひどい企業はミーティングを重ねて知見だけ取ろうとするので、初回面談以外は有償化するといった商品設計で対処するのが本質的。
  7. 期限を設ける。
    • 例:「納入後xx日以内に受入検査を完了させる。期間内に検査を完了させないときは、受入検査に合格したものとみなす。」
    • 我々がその気になれば金の受け渡しは10年20年後ということも可能、を防ぐ。
  8. 上限を設ける。
    • 例:「但し損害賠償額はxxxを限度とする。」
    • 破産するリスクを抑える。
    • リスクの高い案件は個人努力ではなく仕組みで防ぐように会話しないと本質的な解決にならない。
  9. 無期限の契約は対象を絞る。
    • 例:「存続事項」は「権利帰属」「損害賠償」「準拠法」「裁判管轄」に限定する。
  10. 双方の合意で契約を見直せるようにする。
    • 何かあった時に、過去の契約で言い合うのではなく、問題解決のために相談できるようにする。
  11. タイミングに注意する。
    • 例:権利帰属は業務遂行中ではなく対価完済時に譲渡する。
    • 支払いなしで権利だけ奪われるような契約にしない。
  12. 「報告書」を成果物にする。
    • 労働時間で契約しない。 あくまで「想定時間」に留める。 労働集約の発想から身を守る。 契約のために残業するのでは本末転倒。 短時間で価値を出したい。
    • コントロールできない成果で契約しない。 仕事として成果にはもちろんコミットする。 しかし、契約書は効力が強すぎる。 Nice to have ではなく Must だけを書く。
  13. 他社への横展開を可能にする。
    • 例:「同様のシステム構築・運用に共通して利用されるノウハウ・ルーチン・モジュール(従来より権利を有していたもの及び本件業務で新たに取得したものを含む)に関する権利はxxxに留保され、これを利用して類似のシステムを構築・運用することができる」
    • 作業と時間を切り売りするのではなく、用意した商品パッケージを導入してもらう。労働集約の作業ではなく、スケール可能な商品を取り扱う。
    • 商品を充実させるために、自費でアルバイトを雇ったり、他の提携企業と実験案件を経ていることが前提。

ざっくりこんな感じです。 後から気付いた点などあれば加筆・修正します。 他のTipsがあればぜひ教えてください。

この記事の内容はあくまで参考程度にご利用ください。 最終的には担当の行政書士・弁護士にご相談いただいた上で、ご自身の責任のもとで判断いただけると幸いです。

追記:交渉の実務について

この記事を見たフリーランスの方から「どう交渉すれば良いのか」と相談を受けました。 そこで私がどのように対応しているかを記載します。

と言っても、やることは単純です。 クライアント企業からメール(もしくはチャット)で契約書の草案をいただいたら、以下のように返信します。

契約書の草案を確認しました。

> 11条. 損害賠償を支払う。
「ただしxxxを上限とする」旨を追加してください。

> 12条. 損害賠償を支払う。
「ただしxxxを上限とする」旨を追加してください。

上記の点を修正いただくことは可能でしょうか。
ご検討いただけると幸いです。

これだけです。淡々と進めるように心掛けています。

話がこじそうであれば、担当者と対面や電話で会話して、論点を整理しながら落とし所を擦り合わせます。

交渉力がモノを言う世界です。 このブログでも「交渉」を説明したことがあるのでぜひ参照ください。 小手先のテクニックを身につける前に、原理・原則を理解することを強く推奨します。