下町柚子黄昏記 by @yuzutas0

したまち発・ゆずたそ作・試行錯誤の瓦礫の記録

平成最後のECサイトを作りました #平成最後

この記事は平成最後の Advent Calendar 2018 - 23日目の記事です。

注意点

  • 閲覧する人によっては不愉快に感じる内容、不健全な表現を多分に含んでいます。気分が悪くなったらすぐにブラウザバックをお願いします。
  • 「クソアプリ Advent Calendar」がどれも結構しっかり作り込んでいて、なんというか「本当のクソサービスをお見せしますよ」「本当のクソエントリーをお見せしますよ」という気持ちになったので、この記事を捧げます。

【概要】平成最後のECサイトを作りました!

エモい気持ちで平成を振り返りながら、当時の懐かしいものを物色したり購入するサイトです。 サイト名が「平成最後のECサイト」です。

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平成最後のECサイト

https://heisei-final.yuzutas0.com/

【経緯】隣室の喘ぎ声が止むまでにWebサイトを作れるか

世はクリスマス連休。

とある地方都市。

お腹が空いたら外に出て美味しいものを食べる。

お腹がいっぱいになったら部屋に戻ってディズニー映画を観る。

ラインナップは「アナ雪」「ベイマックス」「ラプンツェル」などなど。

なんて贅沢な休日だ。

しかし、問題が起きた。

不規則で、くぐもった「キュッ、キュッ」という音。

最初は冷蔵庫か何かの音だと思った。

やがてはっきりとしてきた。

これ喘ぎ声やんけ!

ここ!めっちゃ壁が薄いのか!

隣の部屋のカップルは!

まさにいま!

ありのままの姿で!

Let it go してる!

「おいこの空気どうするんだよ……」

常人ならそう言いそうになる!

だがそれじゃダメだ!

人生を豊かにするコツ!

制約を楽しむこと!

そして閃く・・・!

悪魔的発想・・・!

「いまからWEBサイトを作り始めて、隣の部屋の喘ぎ声が止むまでに、リリースしてみよう」

自分の才能が怖くなった。

これまでも、昼ごはんと夕ごはんの間にWEBサービスを1から作ってリリースしたりニコ生放送中にリアルタイムで成人向けサイトを作ったりと、数多くのWEB開発RTAをこなしてきた。

だが今になって思えば、これらは大した話じゃない。

いずれも時間を見積もることができたのだから。

放送時間は決まっていた。

食事に至ってはタイミングを調整できる。

この程度の制約ではダメだ。

むしろ「いつ喘ぎ声が止むのか分からない」という状況!

ここでやってのけてこそ、真のラピッドプロトタイピング

かの偉大なる経営者、松下幸之助はこう言っている。

素直な心というものは、すべてに対して学ぶ心で接し、そこから何らかの教えを得ようとする謙虚さをもった心である

たとえどんな状況であれ、自らが成長する糧とすること。

これが大事なのだと思う。

【発想】Heisei Final プロジェクト

とはいえ超短時間でのリリース。

技術的なチャレンジなんかできるわけがない。

かといってコンテンツなしというのも面白くない。

そういうときはエモさだ。

ありきたりの内容を!

エモいコンテキストでラッピングする!

あとは雰囲気でゴリ押す!

今の自分にはディズニーマジックがついている!

では具体的にどんなエモさを注入するのか。

ふとHeisei-Finalプロジェクトという案件を思い出した。

某社で実際に担当している開発案件だ。

業界の著名人やエース級のエンジニアがやたら集まっている。

Slack上のノリで決まってしまった適当なプロジェクト名。

JIRAのチケットを見ると「平成最後の要件定義」とか「平成最後の受け入れテスト」とか、そういうエモい感じになっている。

「平成最後の」という枕詞をつけることで、いとをかしなコンテンツになるわけだ。

これだ!平成最後のサイトにするんだ!

だが焦るな、落ち着け。

平成最後と言っても色々ある。

平成最後の音楽サイトとか、平成最後の宿泊サイトとか。

そういえば、別件でドロップシッピングのサイトを使っていたなぁ。

そうだ!ECサイトだ!

ポケモンのような平成を代表するコンテンツ。

そうした商品を揃えてECサイトにしよう。

慌ててドロップシッピングのサイトで「ポケモン」と入力して検索してみた。

1つも見つからなかった。

版権モノはそう簡単に流通できないのか。

時間はない。どうする。

ふと、流れているディズニー映画を見やる。

プライムビデオ。

「もう全部Amazonリンクで良くね?」

作るものは決まった。

ここまで約5分。

意思決定のスピードとしては悪くない。

窓を叩く風の音が、新元号の近付く足音が、そして隣の部屋では喘ぎ声が、少しずつ大きくなっていた。

「やれやれ」

私はVimを開いた。

【結果】そんな簡単にできるわけないよね

喘ぎ声はいつの間にか止まっていましたとさ。

めでたしめでたし。

WEBサイトのリリースには1時間以上も費やしてしまいました。

ただのHTMLサイトなので、技術的には工夫もクソもありません。

時間が掛かったのは以下。

  • 平成を代表するコンテンツのリストアップ・選別。
  • UIの違和感を抑えるための微調整。
  • 権利関係。画像利用についての確認。
  • GithubPagesと独自ドメインの紐付け。
    • DNSの設定方法が間違っていて1日以上反映されなかった。IP直接指定に修正したら一瞬で解消した。
    • リリース自体はgithub.ioドメインで完了していたので、1時間で出来たということにしておいてください。

本当はTwitterでリアルタイム実況しようと思ったけど、寝落ちしたら恥ずかしかったので「30分くらいでリリースできた後に呟けばいいかな」とか思っていたら(特にDNSで)グダグダして完全にツイートのタイミングを逃してしまいました。そういうとこやぞ。

【振り返り】人生を全肯定していこう

  • 「アイデアがあるなら手段を問わずに1時間でリリースしよう!」という実績を解禁。1時間で1サイトをリリースできるなら、可能性はいくらでも広がる。もはや時間の有無は言い訳にならない。時間に余裕があるかどうかは、私が人生を楽しむ際の障害ではなくなったということだ。
  • 2018年で初めて「この状況でこれやったら面白くね!」という実績を解禁。「おいこの空気どうするんだよ……」という時に、愚痴を言うのは三流、スルーは二流、爽やかフェイスで笑うのは一流、斜め上の発想で面白いことをするのが超一流。上位のほうが一緒にいる人たちを笑顔にできると思っている。
  • 新たな目標ができた。次に「隣の部屋から喘ぎ声が聞こえてくる」状況になったらリベンジする。アホくさいと思うだろうけど、そういう「一見するとどうでもいい目標」に本気で打ち込むことは、人生を豊かにするためのコツだと思っている。

最後に

宿泊先で隣の部屋から喘ぎ声が聞こえたときに、あなただったらどうしますか。 「この声が止むまでにWEBサイトをリリースしよう」とポジティブに思えますか。

全力で今を楽しもうとする前向きな姿勢。 誰もが子供の頃に持っていた、ひたむきな思い。 ディズニー映画の主人公のように、どんな状況でも諦めずに夢を信じる心の光。

特別な才能が必要なのではありません。 クラスのいたずらっ子と一緒に遊んでいたときのことを思い出してください。 クラスで一番話が面白かった友達のことを思い出してください。 きっと、いくらでもカオスなエピソードが思い浮かぶのではないでしょうか。 あの頃と同じように、今を全力で楽しめば良いのだと思います。

平成<あの頃>に置き忘れてきたものを、もう一度取り戻しに行きませんか。

平成最後のECサイト

https://heisei-final.yuzutas0.com/