ポエム第三弾。
「何をするか」よりも「誰とするか」
企画や仕事に取り組むとき、何をするかということ以上に大切なのは、誰と一緒にするかだと思っています。
- 『Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか』ではGoogleのチームが円滑に回るには謙虚・尊敬・信頼(HRT)が必要だと述べている
- 『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール』ではYコンビネーターが案件内容ではなくチームを見て投資先を選定することがあると述べている
ではどのような人とコラボレーションしたいか。 1人1人、性格や得意なことは違うので、一概にこうだと言うのは難しいものです。 それでもあえて私自身の考えを挙げるとするならば「勝ち癖がある人」と一緒にいたいです。
勝ち癖がある
言い方は色々あります。勝ち癖がある。成功体質である。勝ち方を知っている。 要するにPDSサイクルを回して、成功体験を積むということです。 たとえスタート地点での実績やスキルが低くても、改善や成長のスピードが速く、早期に成功体験を共有できれば、自然とお互いに謙虚・尊敬・信頼が生まれるのだと思います。
成功体験を得るために必要なのは、 思考の深度 x 試行の頻度 です。
- 思考の深度:いかに仮説を立てて情報を集めて学習するか
- 試行の頻度:いかに素早く小さくアクションするか
行動に繋がるように学び、学びに繋がるように行動する。その繰り返しで人は成長します。 これが出来ると、逆境や困難が立ちはだかったときにも、上手くレバレッジの機会にできるはずです。
勝つ流れを作る
勝ち癖がある人たちに囲まれると、お互いに刺激を与え合い、物事が前進しやすいように思います。
バスケでゴールが続く感じとでもいいますか。 どう動けば良いのか、体が勝手に判断してくれて、何をやっても上手くいく。 そういった勝つ流れができるのです。
この流れの中にいると、多少のミスや一瞬の気の迷いがあっても、仲間のポジティブな声掛けやカバーを受けて、すぐに持ち直すことができます。 生産的で、合理的で、何よりも前向きな世界です。
勝ち癖が育つ環境
勝ち癖のある9人で構成されたチームに、まだ経験の浅い人が1人参画すると、その1人も環境の影響を受けて自然と育ちます。 しかし、勝ち癖のある人の比率が低いと、その影響も薄まってしまうように思います。 ですので、焦ってチームを拡大するのではなく、勝ち癖が全体に浸透して受け皿が出来てから、次の1人にジョインしてもらうのが望ましいです。
ちなみに採用業界では行動特性を見極めるに当たって、コンピテンシー面接という手法が有用だと言われているそうです。 『コンピテンシー面接マニュアル』を最初に読んだときは、まさに「勝ち癖のある人を見極める方法じゃないか」とも思いました。 が、言うは易しで、やはりこの手の話は、短期間で良いので一緒に働いてみるのが確実です。
2人目が大事
とはいえ、まず勝ち癖のある9人で構成されたチームを作るにはどうしたらええねん、という話になります。 最初から勝ち癖のある人と一緒に何かを始めるだとか、初期メンバーにはこだわるといったよくある話になるのかなと。 少なくともプロジェクトのスケールの成否を決めるのは2人目を誰にするかだと思います。「最高の2人目」なのか。 (2人目に限らず1桁メンバーは同じことが続くでしょうし、理想を言えば100人、1000人といった規模になってもそうあるべきなのでしょうが。)
もし適任者がいないなら、プロジェクト案がどんなに良いものに見えても、今の時代に成功することは難しいでしょう。 さっさと畳むか、お蔵入りにするか、血眼になって適任者を探すか、適任者が見つかるまで1人でやっていくか。 いわゆる採用の戦略・戦術のような話になるといくらでも世に知見はあるのでそれらを参考にしていくことになるでしょう。
もしかしたら「最高の2人目」が必要な段階になってから該当者を探し始めるようだと遅いのかもしれません。 すぐに一緒に何かをやる・やらないに関係なく「いつか一緒に何かをやる日が来るのが楽しみだ」とお互いに思えるような関係性を、普段から築けるかどうかなのかもしれません。
まずは自分から
理想は、自分自身が勝ち癖のある存在として、普段から周囲に影響を与えている状態だと思います。 いつどこで誰と何をやっても勝つ流れを作っていけるような、そういう力強い存在になれたら理想ですね。あくまで理想ですが。 何事も与える者のところに集まるものですから、まずは自分がしっかりすることが第一歩かもしれません。
全てで勝利しろとは言わないけれど、せめて自分が頑張りたいと思えることに対しては、何かしらの成功体験を得るところまでやり抜く自分でいたい。 その積み重ねが勝ち癖をつけるということだと思っています。
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